初の「いすみ鉄道」撮影
一泊で南房総に行ってきた。妻が見つけたホテルで、経営母体が変わって4月にリニューアルオープンしたらしい。昨年の9月にもすぐ近くの宿へ魚料理を食べに行き、自宅から車で1時間半もあれば行けることを知ったから気楽な小旅行。ただし天気も優れず観光するような場所もないから、温泉と料理以外は特にやることもない。アクアラインが混雑しない早朝に出発したが、14時のチェックインまで時間を持て余しそうだったから、「ならば!」ということで「いすみ鉄道」を見に行くことにした。以前から国鉄当時の気動車を導入し何かと話題の同社だが、すでにキハ28は退役したようだし、平日とあって国鉄色のキハ52も大多喜の構内に留置されていて走行シーンは見られなかった。それでもキハ52によく似たスタイルで黄色の350形は個人的に見て非常に好ましく、走っている姿を長いレンズを使って撮ってきた。もともと鉄道撮影をするつもりはなかったから、出がけにひょっとしたら何か生き物が撮れるかもしれないと、慌てて手持ちで使える500ミリのPFレンズをリュックに放り込み、あとは車に載せっぱなしのニコンD4Sを使ったが、久しぶりの一眼レフはかなり時代遅れに感じ、Z9やZ8の便利さと較べるとかなり色あせてしまった。10年ほど前はこれらのカメラで北海道に夜行寝台列車を撮りに通っていたことを思い出すと隔世の感がある。とは言え懐かしさもこみ上げてきて、今さらながらさまざまな機能を使いこなせなかったことを恥じた。
撮影地は皆目見当がつかず大多喜駅でのキハ52を撮影後、沿線を車で流して見つけた緩いカーブ。500ミリにテレコンを装着して700ミリとして毎度お気楽な正面のアップ。周囲の畑に日本鳥学会が国鳥に選定したキジがいて、それを写したくて車を止めた場所。だいぶ前に自宅近所の茂みの中から飛び出したキジと遭遇したが、それはメスで色鮮やかなオスを見たのは初めて。生き物が撮影できるとは考えてもいなかったからこれはこれでラッキーだった。
それはそうと前述のように350形という気動車、最近の車両ながらレトロな雰囲気が満載で好ましかった。車体の塗装は国鉄時代の気動車とは全く異なるものの、下部に濃い色(緑)が使われ重心が低く映って締まって見える。かつて急行用に使われたキハ55の準急色を彷彿させて、とりわけ幌の付いている側から撮るとなかなかカッコ良い。車体の傷みが進んで先行きが怪しまれるキハ52よりも自分としてはこちらの方が好ましいくらい。走行写真を撮る際にはキハ52の国鉄色の方が周囲の風景とマッチするかもしれないが、この350形を実際に見てそんな感想を持った。
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