旅行

2025年11月 8日 (土)

五稜郭機関区のDD51

年内の旅行は鉄道仲間との会津行きを含めあと3回。いずれも行先は本州内だが、マイレージがかなりたまっているので本格的に雪が降る前に、あと一回北海道に行こうかどうか迷っている。と言うのも先日の知床旅行でヒグマの撮影者が例年よりも少なく、のんびりとシマフクロウを探せそうだから。

羅臼岳のヒグマ事故で撮影に関しても影響が及び、知床財団などの見回りがうるさくなったことから例年現地でお会いする(クマ撮影の)方々すら見かけなくなったため他人の行動を気にせず撮影に没頭でき、特に人の気配がするとすぐに逃げてしまうシマフクロウを撮るには良い状況となっている。秋がますます深まり木々の葉が枯れ落ちれば、見つけやすいという利点も重なる。

そう考えるとヒグマ撮影の規制も悪いことばかりではないが、いくつか思い切れない理由もあって逡巡してしまう。
一つはいつも使っているホテルが冬季休業に入ること。流氷が来る1月下旬には営業再開するが、その前の閑散期はお休みになる。もちろんほかに営業を続けるホテルはいくらでもあるが、定宿にしているここは撮影現場に最も近く、部屋の窓から山の様子や道路の凍結状態などが分かりやすく好都合。食事はまあまあなれども夜通し入れる温泉もあって、未明に起きて体を温めてから撮影に出かけられる。いい年して車中泊などバカなことをやらずに撮影をしない時間はそこそこ快適に過ごせるのはありがたく、知床に何度も足を運ぶ理由にもなっている。
もう一つは10月の旅で、これ以上はもう難しいのではないかというレベルのシマフクロウの写真が撮れたため、それを陵駕できる絵を撮れないのではないかという諦観。自分好みのアップ、しかも木の枝にとまっていながら見上げることなくアイレベルで撮れたし、紅葉に囲まれ色彩としてもまあまあの画像。よほどの幸運でもなければ、これを超える写真は難しそうで、それなりに金と時間を使ってももっと良いシーンに巡り合える確率はかなり低いだろう。

そんなわけでどうせ行っても、せいぜい親子のヒグマと雪のコラボ程度が関の山。ここは無理せずに今後、どういう絵を撮りたいかといったコンテを立てるのも悪くはないだろう。明確なコンテも考えずにむやみに訪問回数を増やしても同じような写真ばかりたまってしまう。現地に乗り込む以上は、やはりこれまでとは少し違った絵をモノにしたい。今はじっくり次回の構想を練るときなのかもしれない。

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1984年7月、結婚して1年ほどたった夏の北海道旅行中、観光地巡りを終えて大沼プリンスホテルに向かう途中、立ち寄った五稜郭機関区で撮影したDD51。日の長い夏場ながら日没まで残り少ない時間帯だったため車体に影が伸びてしまったが、別の場所に止まっていた同じく「三つ目」の711号機はもっとまともに撮れたのはラッキーだった。

勤務時間終了直前、撮影に付き合ってもらった助役は面倒くさそうな顔をしていたが、今になって思えば強気に出て良かったと思う。まだDD51が五稜郭機関区にゴロゴロしていた時代の話。なんでこんな機関車が撮りたいのか不思議そうな顔をしていたことが忘れられない。

昔から北海道の機関車は蒸気機関車のC11にせよ9600にしても、ヘッドライトが左右2灯だったりして増灯されたものがあったが、山線でカーブが多いことなどから降雪時などに重宝したのだろう。それに最近のヒグマの問題なども加味すれば、線路上に飛び出すエゾシカなどの動物に警戒を促す効果もあったように推測する。

ブルートレインの晩年、北海道に「北斗星」などを牽引するDD51を撮りに通ったが、青いDD51にもこんな「三つ目」があったらと思ったものだった。Photo_20251108102801


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先日の旅行中、ホテルでトランプ米大統領が来日した時のテレビ中継を見ていた。
日の入り後、都心上空にヘリを飛ばしての中継など、事故も恐れず「よくやるよ!」と感じたが、それよりも驚いたのは夜になっても都心が明るいこと。写真で言えば露出オーバーでハレーションが起きているような画質。電灯の少ない知床に滞在していたせいか、その明るさが際立ちすぎて呆れる思いすらしたと同時に、こんなところからあまり離れていない自分の住む横浜だってさほど変わらないと気づき、ちょっとウンザリしたものだ。明るい所に集まる昆虫、人間も同様かと。
頭が古いせいか昼は明るく夜は闇が自然だと思っている身としては、この東京の夜景を北海道の端っこから眺めて、こんなところに住んできた自分の不自然さ(とでも言うべきか)に今さらながら激しい違和感を覚えた。

それにしてもトランプの警備は異常。警察官約18000人を投入したうえ、羽田から米大使館までヘリを使って米大使館に入り、さらに夕方のラッシュ時間帯に首都高速を30分以上閉鎖して皇居に向かう姿に、知る由もないが「進駐軍」を連想した。トランプの車列を金魚の糞のごとく追従する日本の警察車両、大統領の乗っている車のすぐ後ろに続くならまだしも、米国のシークレットサービスの車のずっと後ろにゾロソロついているだけ。これじゃあシークレットサービスを護衛しているかのようにしか見えず情けなさも大きかった。
さらにはその後の米海軍横須賀基地での早苗ちゃんの振る舞い、加えてトランプを独断でノーベル賞候補に推薦する(国会ではその真偽を明確にしなかったが)など、いったいどうしちゃったのか!

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2025年9月30日 (火)

魅力的な黒部峡谷鉄道の機関車

9月26日から3泊4日で富山、金沢へ行ってきた。目的の一つは、だいぶ前から気になっていた黒部峡谷鉄道の電気機関車。鉄道撮影に対する熱は冷めてしまったが、かなり前からここの機関車を実際に見てみたいという希望を達成していないままだったため、今になってようやくその思いにケリをつけた。
もともと前面がゴチャゴチャとしてヘビーデューティーに見える車両が好きなものだから、長いレンズで引っ張ったら自分好みに撮れるのではないかとの思いを抱いたのは10年以上前からだったように記憶している。

この目で見た感想は想像通りで自分の感性にじゅうぶん響くもの。一見すると工事用車両のように映るかもしれないが、お客さんを乗せて走る正真正銘の旅客列車牽引機関車(しかも常時重連)。険しい勾配に挑む姿は小粒ながらなかなかの存在感が漂う。
カーブだらけのナローゲージでは700ミリクラスのレンズで引っ張るには撮影ポイントがないし、線路沿いに道がないから撮影できる場所は限られたが車両が小さいから400ミリ程度でも望遠効果はそこそこ大きかったように思う。個人的には国鉄のED18の雰囲気を感じたのかもしれない。茶色に塗ればさらに魅力は増すかもしれないが、昔からこの姿で使われてきた由緒正しき機関車。大井川鉄道の電機のような愚行はしない方が良いだろう(ただし、願わくばヘッドマークのない姿も見てみたい)。

現在、黒部峡谷鉄道は能登半島地震による影響で本来の終点である欅平まではつながっておらず、途中の猫又止まりだが来年の紅葉シーズンには再開されそう。改めて訪れることになるのは間違いない。

昨晩、帰って来たばかりで画像処理ができないが、9月最後の記事として掲載した次第。次回以降、新たに購入した24~120ミリズームで撮った、お決まりのアングルからの写真もアップしたい。

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石破首相や外務大臣の岩屋が国連でパレスチナの国家承認について「(承認を)するかしないかではなく、いつするかが問題だ」と演説したが「まやかし」にしか感じない。

「いつするかが問題」、ふざけるな!
日々、命が奪われている中、「いつ」はないだろう! 核拡散防止条約すら批准できない被爆国らしいと言えば「らしい」が、たとえ国家承認が即刻ジェノサイドの歯止めにつながらないにしても今日も明日も、あるいは今でも人命が奪われていく中で一日でも早く承認するのが筋だろう。トランプ関税を気にして言葉巧みに日本としての考えを明確にしない卑怯で姑息な論法を展開(どうせ承認しないということ)するのはうす汚く、腐臭すら漂う有様でしかない。あきれ返って恥ずかしくなるが、昔からこういう輩って常に職場や学校など、身の回りに存在したことも事実だ。

飢餓で、あばら骨を浮かべた子供が毎日死んでいく現実。それでも日本はすぐに承認しないのか。国家として承認したところで直ちに多くの命を救えるわけではないが、トランプ関税から自動車産業を守るためにこの問題にすらへつらうのか! そして、何百万もする車を当たり前のように4、5年で買い替えられる恵まれた国民はそんなことすらおかしいと感じないほど不感症に陥ってしまったのか! 給料が少し下がったって命に大きな影響が出るわけでもない自動車産業従事者を守るために馬鹿で愚かな米大統領を持ち上げるのだから我が国の首相、あるいは首相候補、ひいては与野党含めた政治家たちの腰が引けたザマもここに極まれり。一部には石破や岩屋の国連での演説を評価する向きもあるが、発言の実現性がないと理解していながらを称賛する姿には白けるばかり。

SNSなどでは群馬県前橋市長の不倫問題なんかでギャーギャー喚く国民のくせに、他国の子どもが多々死んでいく現実には関心が薄いのだから昨年、評論家の青木理が言ったように「劣等民族」とはつくづく言い得て妙だ。

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2025年8月15日 (金)

釧路湿原ノロッコ号

8月6日から8日間の北海道旅行は気温が高い時期とあって動物を見かける機会が少なく、これといった写真は撮れなかったがそれは予想通りのこと。特に今年は暑さも厳しく、普段はそこら中で見られるエゾシカでさえ日中、遭遇することは少なかった。関東の猛暑から逃げて避暑に行った身としては快適なホテルでのんびり過ごしたいから、いつものように夜明けから撮影に出るのはやめてドライブ中に出会った生き物にレンズを向ける程度にとどめた。
それでもキツネ、シカ、エゾリスなど「常連」の動物は撮れたし、この時期としては数が少ないオジロワシも目撃できたうえ、中標津の「湯宿だいいいち」ではここの目玉ともいえるシマフクロウを見ることができたのだから上々。特にシマフクロウに関しては開放値F1・8の望遠レンズを準備してこれまでよりも速いシャッター速度で撮れ「本懐」を遂げた思いもある。さらにバードウォッチャーにも人気のオオジシギとヤマセミを初めて撮ることができ、普段は鳥に強い関心を持たないながらも嬉しさもひとしおだった。とりわけモヒカンのヘアスタイルのようなヤマセミは撮影が難しい鳥のようで遠目ながらも低感度で撮れたのは一つの課題をクリアした思いがするし、活動領域をほぼ特定できたことで今後はもっと撮影方法を練って挑戦したいと考えている。

ひとつだけ残念だったのは9日にたまたま運転された「ロイヤルエクスプレス」を撮ったきわめて近くの国道でレンタカーとトラックの衝突事故があり、大阪から来た4人家族のうち妻と娘が亡くなったこと。まさに列車を撮影した3時間ほど後の発生で、ホテルに帰ってそのニュースを知り翌朝現場を通ったが、運転していて助かった父親の思いを考えるといたたまれない。退院して帰途に就く飛行機の中で何を思うのか…。

鉄道撮影はあまり前向きではなかったが、「釧路湿原ノロッコ号」が今年度でお終いになるということもあって一度だけ記録した。牽引機のDE10は色が塗り替えられて国鉄型機関車というにはあまりにもあまりな姿ながら、どこかの私鉄のEF65Pを真似たゲテモノよりは幾分マシだろう。中身だけは本物に違いないのだから。
まもなく消える列車ということもあって撮影者が多いかと思ったが、沿線で撮っている人は一人も見かけなかった。今後、廃止の話題が広がれば数少ない機関車牽引の列車として「葬式鉄」が始まるのだろうか?それにしてもエアコンもない貨車のような車両に乗っている人の姿からは、まるで捕虜収容所に移送されるようなイメージを受けたが、こんなことを書くと「週刊新潮」7月31日号の高山正之氏のコラム「創氏改名2・0」を問題視するような面倒な連中から批判されるのかな。

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2025年8月 7日 (木)

浦和を通過するEF65501

昨日朝、釧路に入ったものの予想通り動物は撮るものもなく、林道走行中に出会ったキタキツネを撮った程度。タンチョウもこの時期は撮影しても絵にならないし、なにより雑草が多くて撮りづらい。仕方がないので今年度中に運行が終わる「ノロッコ号」でも撮ろうかとウロウロしたが、線路際に木々が茂る釧網線はすっきりと編成が収まる場所がなく、この目で列車を見るには見たが撮影はやめた。2月にC11を撮った釧路湿原~細岡のカーブを俯瞰する地点も既視感の強い場所で、レンズを変えても独自のアングルにならないのでパスしてしまった。こういう手垢にまみれた場所で他人と同じような写真を撮っても絶対に満足感は得られないから、せめて自分なりの構図を探そうと思うが、とにかく沿線に雑草がはびこっていて撮る気が起きない。加えてアブの猛襲で、レンタカーを止めて外に出ようとするだけで車内に入って来るから最悪。前回の旅ではマダニに10か所以上刺されたし、下手に草むらに足を踏み込むのは遠慮したい。9日のロイヤルエクスプレスの撮影も無理するまいと思う。

今日は弟子屈に移動するが、この分だと今日もキツネに相手してもらうのがせいぜいかもしれない。午前中は雨の予報だから、のんびりとホテルの朝食にありついてうっくり北上しようと考えている。

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2012年8月31日のAM5:53、浦和のホームで撮影したEF65501。浦和駅の高架化工事中から目を付けていたアングルで「あけぼの」「北斗星」「カシオペア」のほか何回かイベントの列車を撮影した。そういえばDD51の24系寝台編成も撮ったように記憶している。

EF65Pは東海道、山陽筋のブルートレイン牽引時代の印象が強烈なため、ブルトレ牽引から撤退した後に団体臨時列車などで特製のヘッドマークを付けても全く似合わず、むしろマークなどない方がはるかにベターだった。

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2025年6月20日 (金)

仕方なく訪れた有名撮影地

今年5回目となる北海道での撮影旅行から帰宅したのは17日。今回もけっこう歩いたし、移動距離も長く運転にも疲れた。このところマイカーよりもレンタカーを運転することの方がはるかに多く、レンタカーだけでも2025年になって軽く6000キロを突破しているはず。燃費がよい反面、料金の安い車を借りていることもあって快適性は高くないから疲れるのも当然だが、それにしても最近の車はやたらと警報装置が多く煩わしい。カーナビの目的地設定も音声入力が増え、行き先の名称を正確に言わなければ表示されないのは決して便利ではない。何もかも車がやってくれるのは返って負担が増えるように感じる。

それはともかく今回の旅もまあまあの首尾で満足だったが羽田に着いたら、6月とは思えない暑さに驚いた。まだ6月だというのに梅雨明けのような暑さに日差し。今からこれでは7、8月の本格的な夏を迎えたらどうなる事やら。一歩も外に出たくはない。
夏は北海道も混雑し、特に道東方面は通行規制なども行われてレンタカーでは入っていけない場所もあるし、生き物もあまり目立ったものは撮れないから毎年行かないが、この暑さから逃げるためにお盆休みには釧路へ一週間ほど行こうとは思っている。撮影よりも文字通りの避暑。夏でもエアコンいらずの道東でカヌーでもやって過ごそうと思う。

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インスタで「いいね!」をいただくのは知り合いが多いが、知らない方からも頂戴することがある。取りあえずはありがたいことなのだが、その中の多くは若い女性。そしてそのほとんどが中国人と来ているのだから、迂闊にフォローバックなどできるはずはない。鼻の下を伸ばして返信でもしたら、どうせろくな事にはなるまいがプロフィールの顔写真は確かに美人揃いなことは間違いなく、イイ気になる人も多いのだろうなと推測する。中には肌の露出が過剰な写真もあって、ついそそられる人もいるのだろうが、中国人など絶対に信用しない身には邪魔くさくて右から左に削除している。
ホント、ろくな国ではないが、中には自己顕示欲の強そうな日本人とおぼしき女性もいて、セクハラの責任はそのほとんどが男性にあるように思っている連中は、こういう女がいることをもっと知るべきだと思う。

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かつて北海道に夜行列車を撮りに通った頃、ここ洞爺~有珠のカーブは多くの人々が訪れていた。撮影地ガイドに紹介され、そればかりではなくプロの連中もここで撮った写真を数多く発表していたから撮影者が多いのは当然だが、個人的には人が多く集まる場所は嫌いでDD51の夜行列車を撮ったのはこの1枚だけ。
実は豊浦の温泉施設に宿泊していて、すぐ近くの築堤で「トワイライトエクスプレス」を撮っていたら、そこで北海道新聞の記者にタテで「北斗星」を撮ることができる場所はないかと尋ねられて案内した結果、この1枚が残った。

夜行列車が通過後、撮影者が撤収してから気動車特急や貨物列車撮影で訪れたことはあるから場所は熟知していたものの、本命の列車を撮る価値はなく行きたくはなかったのに同業者に懇願されれば仕方あるまい。なにしろ自分の会社に金を払ってくれている有力加盟社の記者だし無下にはできなかった。たしか2014年の11月だったように記憶している。

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2025年6月10日 (火)

上越線を迂回する「カシオペア」

無職の身になって朝からNHKの「あさイチ」を見る機会が増えている。生活情報はなかなか楽しく参考になるものも多く、平素は「主夫」に近い状況ゆえ、それを見ながら家事をする機会も多い。実用的なアイディアが特集されるときなどは録画することさえある。

一方で不思議に思うのは視聴者からのメールやファックスが毎朝、何百通、何千通も届くこと。マスコミで仕事をしてきた筆者としては放送前にNHKが仕込んでいたりするものであるだろうと承知しているものの、それにしても朝っぱらから出演するゲストの似顔絵などを書いて送ってくる視聴者はなんてヒマなのだろうと呆れるのもこれまた事実だ。子供が学校に行ってしまった後だったり社会人になって朝でも時間がある人も多いかと思うが、それにしてもゲスト出演者に「美しさを保つ秘訣」だとか好きな食べ物などを質問する方々が異星人のように映ってしまう。

翻れば人のSNSやブログなどの記事に批判するようなコメントを寄せるマメな奴が多い事実も同様で、しょせんは個人の意見や考え方にいきり立つ連中も同じ穴の狢。よほどヒマなのだろう。自分と異なる考え方の人を説得、あるいは論破したつもりになっていい気分なのだろうか。

赤の他人の私見に何かと口を挟みたい人が増えたことに驚く。

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明日11日から北海道。2日に帰ったばかりだから中8日ということになる。前回も泊まった宿に三脚を預かってもらったから幾分、行きの荷物が軽くなるのは助かる。
かつて夜行列車を撮りに毎月のように北海道に通っていたころは新千歳空港のOTSレンタカーに三脚や脚立、ときには500ミリなどの超望遠レンズを預かっていただいたものだが、もっぱら道東に行くようになって女満別、中標津、釧路など、利用する空港がその時々で変わるから、そういうことがお願いできなくなってしまった。しかし知床のウトロは、ほぼ毎回訪れるので家族を伴わない単独で行く場合、定宿に預かってもらえる算段が付いたのはありがたい。たとえ三脚ひとつにしても機材と身の回り品で20キロにも及ぶから非常に助かる。以前のようにハスキーの重い三脚からカーボンファイバーの軽量なものにしたとはいえ若くはないのだから。

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2011年9月25日の迂回「カシオペア」。後閑~沼田で撮影。
この時は高崎~水上間でD51498とC58363、C6120などが重連を組んで走ったことから、関西の友人らと合流して撮影に行った。しかし東北線内でのトラブルがあり(理由は忘れた)、北海道から戻る上りの「カシオペア」が上越線を迂回すると聞き、本命はそちらに変わった。

今思えば、その後日本海経由の「カシオペア」が走って、しかもEF81と重連だったのだから目の色を変えることもなかったのに、この列車を撮るためにあれこれ作戦を練ったものだった。しかもこの写真を見ればEF64が単機で牽引可能なのだから「カシオペア紀行」で重連運用を組む必要があったのか疑問もある。

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2025年6月 7日 (土)

中ノ沢駅通過の「カシオペア」

2日の深夜、北海道から帰って来た。当初、翌早朝の「カシオペア」撮影に行こうかと思っていたら天気予報が悪く、列車通過時に雨は降らないと思われたもののパスすることにした。いずれにしても天気が下り坂では陽光を浴びた撮影はできまい。旅の疲れもたまっているから酒を飲んで就寝した。

その後、ブログの記事を書こうと思っていたら、やる気が起きたときに限ってシステムがメンテナンス中で、気分が削がれ2週間近くも手を付けずにいた。そうこうしているうちに11日からまた北海道。一本ぐらい記事を書いておこうと、大した中身もないのにパソコンに向かっている。

さて北海道での首尾は上々。キツネ、シカ、ヒグマ、フクロウなどの赤ちゃんを見ることができた。8日間に渡る旅の前半はかなり無理をして動いたから、後半は知床・ウトロのホテルでのんびり過ごしたが、新緑の道東は今年も美しかった。よく、ありきたりの表現で北海道のことを「北の大地」と書く人の文章を目にするが、素敵な土地を表すのに独自の言葉を考えないで手垢にまみれた言い方を真似する人の文章はさもしい。ボキャブラリーの欠如が見え見えで情けなくなる。

まあ、それはさておき11日から一週間ほどの旅でも良き邂逅を期待する。

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北海道鶴居村のタンチョウが集まる伊藤サンクチュアリで、しばらく前に中国人男性が閉園後、タンチョウが一斉に飛び立つ姿を撮ろうと妻に柵を越えさせタンチョウを追い回させたらしい。人伝に聞いた話だが現地の関係者がメモリーカードから画像を消去するよう求めても、のらりくらりかわして立ち去ったというのだから呆れてものが言えない。
こういう話はモモンガの撮影現場でも巣に爆竹を入れてモモンガが巣から出るシーンを撮ろうとしたり、エゾリスを捕まえて持ち去るなど、多々耳にしたり目撃するが、いずれにしても生き物の撮影現場での中国系旅行客の振る舞いは問題化しつつある。

まあ、国際的にも傍若無人のかの国の下劣な連中のこと。さもありなんとは思うが降ってわいたインバウンドに浮かれてばかりいないで、トランプ米大統領ではないが中国人の入国規制も考えて良さそうな気がする。
道内のニセコや千歳周辺など何年も前から中国人が土地を買い漁って、戦争でもないのに日本は侵略されるのではないかとも危ぐしてしまう。きれい事など不要。常にカラスやゴキブリのように強い生命力をもつあの連中のことを頭の片隅に置いておかないと日本は乗っ取られるのではないか。

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2015年春、中ノ沢(今は廃駅)のホームで撮った「カシオペア」。
筆者にとって「カシオペア」は北海道に乗り入れていた時代が当たり前の姿で、その後に本州内で運転される列車は「おまけ」という印象が強い。なにしろ当時は毎日、DD51が重連で牽くのが日常だったのだから、本州のJR東の管内で高い料金を払って弁当を食いながらの周遊は格落ちの感がぬぐえない。

まだ桜が咲く前の季節。ようやく木々が芽を吹いてきた季節の北海道は寒くもあったが、さわやかな空気感だった。

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2025年5月15日 (木)

変貌した好撮影地

岩手県・湯田温泉の高級旅館「山人」が秋田県の男鹿半島に建設していた「山人-oga-」が竣工し、開業前に招待していただいたため秋田に行った。せっかくのお招き、1泊ではもったいないと前日の9日は秋田市内に宿泊し、以前から行ってみたかった東北屈指の居酒屋「酒盃」で地酒を心行くまで堪能したが予想していた以上の料理に妻ともども大満足! 店内の雰囲気、お店の方々のホスピタリティなどどれをとっても、これまで数々行った居酒屋の中でも軽く五指に入る素晴らしさ。評判を聞いたのが、かれこれ20年近く前だったが、実際に足を運んでその素晴らしさが身に染みた。
旬の山菜を使った料理や刺身をはじめコースで供されるどの料理も感動モノ(こういう安易な言葉はなるべく使いたくないが)で、日本酒がこれほど美味しいと感じたのは何年ぶりだろう。いつも途中で焼酎に切り替える自分も最後まで日本酒で通した。瞬時に寒い季節にも行ってみたいと感じたほどだ。
さらに驚いたのはお勘定。数字を書くのも品がないから記さないが、会計に間違いがあるのではないかと疑ったほど。東京の銀座や築地あたりなら倍の値段は取られても不思議ではない。

知る人ぞ知る店ではあるから各地から訪れる人も多いようだが、その場にいた客の誰もがスマホで料理の写真を撮るような無粋なまねをしなかったのも実に心地良かった。次回は何としても秋か冬に訪れたい。

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まあせっかく秋田に行ったのだからと、空港でレンタカーを借りた後、かつて列車撮影に行ったことのある羽越線の道川~下浜の下浜踏切に寄ってみた。以前、下り列車の後方に写っていた建設中の大きな橋げたの上にはバイパスが完成し、これまでメインストリートだった線路沿いの国道は利用する車もなくなって静かなのは良いとしても、バックの景色が惨憺たる状況でとても撮影どころではない。

しかも上下線の間は雑草や樹木が著しく育ってしまい、もはや列車の撮影は100%不可能。もしここで引退間近の「カシオペア」の秋田行きを撮ろうと思っている方がいるなら絶対に無理。早々にほかの場所を考えておかないと痛い目に遭うことを報告しておく。

写真は2012年9月3日の道川~下浜で撮った「あけぼの」。虎視眈々と日の回りが良くなるこの季節を狙ってはいたが、当時は忙しく早くから予定が立てられず、急にできた寸暇を利用してマイカーで出かけたのだからまだガッツがあった。そのおかげなのか、またとない天気に恵まれた。再掲で、朝日を浴びる列車の彩度が高くなりすぎて、以前アップした写真は彩度を落としたほど。今回はほぼ手つかずのままアップする。

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2025年2月17日 (月)

3年前の北海道で

 「X」や「LINE」などのSNSに対する警戒感が根強い自分がインスタグラムを始めたのは昨年の3月。手を染めたくはなかったが、生き物の撮影をするようになって現場で知り合った人から住所や電話番号を聞かれるケースが増えたため、その矛先をかわすための連絡用として使ってみることにした。始めてみるとほかの方々がどこで何を撮影しているかが分かって、こちらも参考にさせていただけるのは大いに助かる。鉄道撮影とは違ってどこでどんな被写体に巡り会えるかは自ら情報収集するしかないのだから、ネイチャー系の写真を撮っている人にはかなり重要なツールだ。

しかしながら、たびたびメッセージをもらうと厄介な場合もあって、自分のような面倒くさがり屋としては鬱陶しく感じる場面も少なくはない。
先日、「次の撮影旅行はいつからどこに行かれるのですか?」と昨秋、知床半島の羅臼で知り合った人から問い合わせをいただいたため、ザッとこちらのスケジュールを教えたところ、「それなら私もご一緒したい」と言われ「まあ、イイか」と返事をしたところ、日にちを間違えて宿を予約してしまったらしく「残念です」との返信が来た。ひょっとしてこちらの手落ちだったら悪いと思って過去のメールを検証すると、やはり相手の勘違い。しかしいくらそうであってもやはりモヤモヤした気分は残るもので、20日の出発を前にしてなんとなく気が重い。そもそも「一度しか会ったことのない人とSNSでやり取りをしているからと言って、表現は悪いがノコノコついてこられてもなぁ…。」というのがホンネなのだから、迂闊に教えてしまった自分の判断ミスには違いないのだが。

会社勤めをしていた時こそ、人付き合いはうまくやってきたはずだが、もはやフリーの身となって(再び表現は悪いが)「金魚の糞」のように自分より年上のオッサンに押しかけられても疲弊するだけ。たとえ相手がうら若き女性であったとしても、他人に気を遣いながら時間を過ごすのはもはやしんどくなってしまった。

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遅まきながら書店で「鉄道ジャーナル」を手に取ってみると、表紙の裏に「休刊」のお知らせを見つけた。かなり以前から知っていたことだし、一度記事にしたから、そのこと自体はとっくに受けいれているが、「休刊」という言葉に編集してきた方々の「未練」を感じてしまう。
これまで長らくさまざまな趣味誌を購読してきて、いくつかの雑誌が消えていったが、いずれも「休刊」という言葉で、それらが復活したためしはなく、ここはジタバタせずに「廃刊」とした方が潔いとは思うものの、そこには作り手側の愛着が存在してきたわけで「廃刊」はあまりにも刺激的すぎるのだろう。そう思うと広い意味で同じマスコミに身を置いてきた身としては身につまされる思いもある。

立ち読みしながら、ここは「鉄道ファン」誌など、由緒ある別の雑誌が「鉄道ジャーナル」の休刊に合わせて、ささやかなスペースでも良いから、なんらかのエールを送るような気遣いを見せてくれないかと感じるのだが。

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写真は3年前の2月に石北線の呼人付近で撮影した183系時代の「大雪」。モモンガを撮りに行ったときのものだが、このころはまだ時間を割いて列車にカメラを向ける気力もあった。
普段は夜行性で日中、姿を見せないモモンガも繁殖期に向け早朝や夕方、撮影できるチャンスが増えるが、それ以外の時間はよほど運がよくないと無理。そんなときの「暇つぶし」として列車を撮ることもあった。

あれから3年。先日の旅では久しぶりにC11の「SL冬の湿原号」を撮ったが、SLでもなければ線路際に立つこともなかっただろう。
ことしも春のダイヤ改正で北海道でも消滅する列車や車両があるのかもしれないが、何がなくなるのかも知らないし、知ったとしてもきっとそれらに時間を割くことはないだろう。

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この写真、3台のパソコンで眺めると機器によって色の濃淡がまちまち。もっぱらEIZOのモニターで色合わせをしているが、記事を書いたパソコン画面では色が浅すぎるように感じてしまう。

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2025年2月12日 (水)

「SL冬の湿原号」③

20日からまた道東方面へ。今回は10日間の長丁場で、衣類やスノーシューなどは宅配便で送り、いつもより機材を多めに持参しようと考えている。このところFマウントのニッコールの出番がなくなっているため久しぶりに使ってみたいから。Zマウントの方がAF速度が速いとはいうが、200ズームと400ミリ以外ならFマウントでも全くと言って遜色はなく退役させるにはあまりにももったいない。生き物を撮影する場合、AFの速度そのものが取り立てて問題になることはなく、そんな些末なことを嘆くよりも被写体を早く見つけることの方がはるかに重要。レンズが古いからAFの合焦速度が劣るとぼやく人も多いが、そんな感想を聞くと腹の底では「分かってないな、このバカ!」と感じてしまう。
まだまだ新品に近い500ミリのF4やF5・6などは切れ味に関しても抜群で、ワシやモモンガなどの撮影には威力を発揮するはずだ。

ところで今述べたように、鉄道撮影と違って動物や鳥を撮るには撮影者が居所を早く見つけなければならない。動物や鳥を扱う雑誌は少ないし、撮影地を記すと現場に人が多く集まって生き物が寄りつかなくなるため、どこへ行けば何が撮れると書かれたものはなく、現地で会った人に尋ねたり(なかなか教えてくれないのは当たり前。それでもそこを聞き出すのが会話のテクニック)、さまざまな資料を漁って撮影できそうな場所を独自に見つけなければならず、今回の旅でも春の撮影に向け、そんな所を開拓しておくことも重要な目的の一つになる。

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1月の道東旅行は動物や鳥をほとんど撮影できなかったため、柄にもなく復活蒸機が牽く「SL冬の湿原号」を撮って無聊を慰めた。とは言っても標茶から釧路に戻る下り列車はC11が逆向きで牽引に当たるため撮っても仕方がないから釧路からの上り列車のみしか撮る意味はなく、大した暇つぶしにはならなかったが、釧路発の時刻が11時すぎのため、朝風呂に浸かってからも悠々間に合うのは楽でイイ。まだ蒸気機関車が現役だった頃、一日に何本かのSL牽引列車が走っていてガツガツするまでもなかった時代を思い出す。

釧路湿原の一部を見渡せる有名な撮影地も、すでに撮る人は撮ってしまったのか、空いていてのんびりしたもの。列車を待つ間も眼下にキタキツネやエゾシカ、タンチョウが出没し、どちらかというとSLよりもそちらに気を取られていたが、釧路湿原駅を発車する汽笛が耳に届くに及んで一脚に付けたカメラのシャッター速度や絞り、フレーミングを線路に合わせてスタンバイ。400ミリでここまで引きつけた後は別のカメラに持ち替えて110ミリ程度で絵はがき写真を撮った。欲張って2台で撮っても短いレンズで仕留めたものなどRAW現像する気もないのに、そこは元鉄道ファンの性。列車が接近すれば煙の出具合がもっとマシになるかもしれないと淡い期待も抱いてしまう。

それにしても400ミリのF2・8、以前はもっと重たかったように思うが、最近はずいぶんと軽量化されたうえ解像力も格段に向上し、さらにはテレコン内蔵なのだから非常に重宝する。

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