五稜郭機関区のDD51
年内の旅行は鉄道仲間との会津行きを含めあと3回。いずれも行先は本州内だが、マイレージがかなりたまっているので本格的に雪が降る前に、あと一回北海道に行こうかどうか迷っている。と言うのも先日の知床旅行でヒグマの撮影者が例年よりも少なく、のんびりとシマフクロウを探せそうだから。
羅臼岳のヒグマ事故で撮影に関しても影響が及び、知床財団などの見回りがうるさくなったことから例年現地でお会いする(クマ撮影の)方々すら見かけなくなったため他人の行動を気にせず撮影に没頭でき、特に人の気配がするとすぐに逃げてしまうシマフクロウを撮るには良い状況となっている。秋がますます深まり木々の葉が枯れ落ちれば、見つけやすいという利点も重なる。
そう考えるとヒグマ撮影の規制も悪いことばかりではないが、いくつか思い切れない理由もあって逡巡してしまう。
一つはいつも使っているホテルが冬季休業に入ること。流氷が来る1月下旬には営業再開するが、その前の閑散期はお休みになる。もちろんほかに営業を続けるホテルはいくらでもあるが、定宿にしているここは撮影現場に最も近く、部屋の窓から山の様子や道路の凍結状態などが分かりやすく好都合。食事はまあまあなれども夜通し入れる温泉もあって、未明に起きて体を温めてから撮影に出かけられる。いい年して車中泊などバカなことをやらずに撮影をしない時間はそこそこ快適に過ごせるのはありがたく、知床に何度も足を運ぶ理由にもなっている。
もう一つは10月の旅で、これ以上はもう難しいのではないかというレベルのシマフクロウの写真が撮れたため、それを陵駕できる絵を撮れないのではないかという諦観。自分好みのアップ、しかも木の枝にとまっていながら見上げることなくアイレベルで撮れたし、紅葉に囲まれ色彩としてもまあまあの画像。よほどの幸運でもなければ、これを超える写真は難しそうで、それなりに金と時間を使ってももっと良いシーンに巡り合える確率はかなり低いだろう。
そんなわけでどうせ行っても、せいぜい親子のヒグマと雪のコラボ程度が関の山。ここは無理せずに今後、どういう絵を撮りたいかといったコンテを立てるのも悪くはないだろう。明確なコンテも考えずにむやみに訪問回数を増やしても同じような写真ばかりたまってしまう。現地に乗り込む以上は、やはりこれまでとは少し違った絵をモノにしたい。今はじっくり次回の構想を練るときなのかもしれない。
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1984年7月、結婚して1年ほどたった夏の北海道旅行中、観光地巡りを終えて大沼プリンスホテルに向かう途中、立ち寄った五稜郭機関区で撮影したDD51。日の長い夏場ながら日没まで残り少ない時間帯だったため車体に影が伸びてしまったが、別の場所に止まっていた同じく「三つ目」の711号機はもっとまともに撮れたのはラッキーだった。
勤務時間終了直前、撮影に付き合ってもらった助役は面倒くさそうな顔をしていたが、今になって思えば強気に出て良かったと思う。まだDD51が五稜郭機関区にゴロゴロしていた時代の話。なんでこんな機関車が撮りたいのか不思議そうな顔をしていたことが忘れられない。
昔から北海道の機関車は蒸気機関車のC11にせよ9600にしても、ヘッドライトが左右2灯だったりして増灯されたものがあったが、山線でカーブが多いことなどから降雪時などに重宝したのだろう。それに最近のヒグマの問題なども加味すれば、線路上に飛び出すエゾシカなどの動物に警戒を促す効果もあったように推測する。
ブルートレインの晩年、北海道に「北斗星」などを牽引するDD51を撮りに通ったが、青いDD51にもこんな「三つ目」があったらと思ったものだった。
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先日の旅行中、ホテルでトランプ米大統領が来日した時のテレビ中継を見ていた。
日の入り後、都心上空にヘリを飛ばしての中継など、事故も恐れず「よくやるよ!」と感じたが、それよりも驚いたのは夜になっても都心が明るいこと。写真で言えば露出オーバーでハレーションが起きているような画質。電灯の少ない知床に滞在していたせいか、その明るさが際立ちすぎて呆れる思いすらしたと同時に、こんなところからあまり離れていない自分の住む横浜だってさほど変わらないと気づき、ちょっとウンザリしたものだ。明るい所に集まる昆虫、人間も同様かと。
頭が古いせいか昼は明るく夜は闇が自然だと思っている身としては、この東京の夜景を北海道の端っこから眺めて、こんなところに住んできた自分の不自然さ(とでも言うべきか)に今さらながら激しい違和感を覚えた。
それにしてもトランプの警備は異常。警察官約18000人を投入したうえ、羽田から米大使館までヘリを使って米大使館に入り、さらに夕方のラッシュ時間帯に首都高速を30分以上閉鎖して皇居に向かう姿に、知る由もないが「進駐軍」を連想した。トランプの車列を金魚の糞のごとく追従する日本の警察車両、大統領の乗っている車のすぐ後ろに続くならまだしも、米国のシークレットサービスの車のずっと後ろにゾロソロついているだけ。これじゃあシークレットサービスを護衛しているかのようにしか見えず情けなさも大きかった。
さらにはその後の米海軍横須賀基地での早苗ちゃんの振る舞い、加えてトランプを独断でノーベル賞候補に推薦する(国会ではその真偽を明確にしなかったが)など、いったいどうしちゃったのか!











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