旅行

2024年10月20日 (日)

DE10の「湿原号」

人との付き合いから生き物の写真のインスタグラムを始めて半年。写真をアップして簡単なキャプションを付ける作業は面倒ではないものの厄介なのは、「♡いいね!」をいただいた人にお返しの「♡いいね!」を付けなきゃならないのかどうか迷うこと。ほとんどの人が撮った写真を片っ端からアップしているようで、昨日と同じような写真を羅列しているから変わり映えせず、正直「♡いいね!」に値しないものが多く、単に返礼の意味を込めてそんな評価をするのは自分の流儀から逸脱してしまう。連写した写真を毎日続けて見せられても辟易してしまうだけで、こちらとしては率直に言ってあまり良いとは思えないのに、それが儀礼のようになってしまっているから面倒くさい世界だと感じる。

とは言え、フォローしてくれる人の多くが古くからの友人や仕事上付き合ってきた人、あるいは動物の情報をもたらしてくれる人などで、義理があるからバッサリとは切り捨てられないのも現実。もちろん上手に写真を撮っている人の方が圧倒的に多いのだけれど、中には毎日の食事(主に外食)を載せただけのインスタなどもあり、なぜそんなものを人に見せて嬉しいのか理解に苦しむものもあり、これに「♡いいね!」を付けるのはやや不本意でもある。

そういう観点に立てば鉄道のブログでは同じ列車を連写した写真を同じ記事に何枚もアップする人を見かけるが、この人にとってどのコマがベストなのか撮影した本人の意志が伝わらず、むしろ節操のない人と映ってしまう。カメラの連写機能がアップして一度に何十枚も撮れるからと言って、見る側にすれば変わり映えのない連続したシーンをくどくど見せつけられるのは苦痛以外の何ものでもない。写真のチョイスにもっと真摯に取り組んで欲しいと思うが無理な相談か。

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さて今週からまた道東。動物たちが餌の少ない冬に向けて食べ物を蓄える時期で動きが活発になる。しかも森の木々は葉を落とし、枝に止まった鳥なども木の葉に邪魔されず見つけやすくなるから写真が撮りやすい。今年7回目となる渡道で、毎回一週間以上滞在しているから2024年は少なくとも50日以上は北海道にいたわけだ。かつて夜行列車を撮りに通っていた頃、一回一回の滞在は短かったものの毎月1、2度は行っていたから、それに較べれば回数自体は少ないものの、当時は鉄道一辺倒でそれ以外のことにほとんど無関心だったことを思えば、生き物を撮るようになってからの旅は被写体以外のことにも関心が高くなって、ちょっと「大人の旅」的な感覚も出てきたように感じる。食べ物やホテルの居心地、温泉の質、景色、周囲の人たちとの会話などなど、かつて鉄道撮影で通っていた頃はほとんど現地で金を落とすことはなかったが、今は少しは地元に貢献している気がしないでもない。そんなわけで旅の内容も充実して、ガツガツせずに余裕を持って生き物を追うことができる。ちょっと天気が悪ければ早く宿に帰って露天風呂を堪能し、湯上がりにはホロ酔い気分で撮ってきた写真を眺めながら夕食まで部屋でのんびり過ごしたりと…。
そう言えば旅行中の27日は衆院選の投開票日。すでに期日前投票も終えて旅に出るが、開票速報を旅先の部屋のテレビでのんびりと見るのも、ちょっとした楽しみの一つになりそうだ。

下の写真は昨年2月に撮った釧網線の「冬の湿原号」。C11の調子が悪くDE10が牽いたときのもので、近くにエゾフクロウの巣があるため、それを撮りに行った際に寄ってきた。時間と場所がちょうど良かったから時間的な無駄は感じなかったが、撮り終わった後で「今さらこんな列車を撮って嬉しいか?」と心の中で自問したことを思い出す。以前アップした写真よりも、もう少し短い画角で捉えたもの。

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2024年10月 1日 (火)

旧広尾線・幸福駅の夜

9月23日から一週間、北海道に行ってきた。今回は4年ぶりのエゾナキウサギの撮影が目的。後半は妻も合流してお気に入りの十勝川温泉・豊洲亭に泊まり、ご自慢の食事にありつけ大満足。

ナキウサギの方はこの夏の暑さでまだ冬に向けた貯食が本格化しておらず、動きはあまり活発ではなかったが、今年生まれた子どもは人間に対する警戒心が希薄なのか、けっこう近いところまでやって来てアップの写真を心ゆくまで撮ることができた。お決まりのポーズばかりだが、体長15センチにも満たない小型の哺乳類を、そこそこ大きく撮影できたのだから悔いはない。

滞在3日目の25日には意を決して東ヌプカウシヌプリという標高1200メートルの山に登りナキウサギを撮ったが、かなり急な山道を1時間半かけて挑んだ体力はもう来年には残っていまい。一つでも若い内にチャレンジしておいて良かったと思う。何しろ好きなことをやるために雇用延長を断ったのだから遊ばなければ損。下山後、夜になって太ももがこむら返りを起こしたが、何ごとも体が動く内にやっておくに限る。

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自民党総裁選は旅先でも注目していたが、なかなか面白い展開だった。誰が首相になってもしょせんは政治家。総裁選での公約など実行できるはずがないのはガキじゃあるまいし自民党の議員、党員らは先刻承知のこと。ただただ選挙の「顔」として誰がふさわしいかという判断が結果を大きく左右するのは分かり切っていたことだから、立憲民主党の代表が野田になれば自ずと石破に票が流れるのは確実と見ていたら案の定。
また、総裁選に立候補したときの石破発言、「野党との論戦をしっかり経たうえでの衆院解散」が早くも反故にされたなどというのは政治家にすれば朝飯前。もっともらしい言い訳だって準備しているだろう。こんなことは今後もどんどん繰り返されるだろうから、いちいち「裏切られた」と嘆いても意味はない。

それよりも今後は石破が麻生や高市をどう駆逐するのかが見もの。

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帯広空港に下りると毎回立ち寄るのが旧広尾線の幸福駅跡。
駅名だけで知名度が上がった観光地だが、ここに保存されているキハ22は、さすがに観光客が多く来るからメンテナンスも行き届いてカメラを向けたくなってしまう。
今回は帰りの飛行機までの時間が余ったこともあって、夕方に行ってみたらなかなか良い光線だった。その際、あらためて周囲を見回したらライトアップ用の設備があったため暗くなってもう一度訪れて撮ったのがこの画像。グリーンのライトが強烈すぎて、せっかく色づいてきた木々の葉っぱが人工的に見えてしまったため、画像を調整して彩度をかなり落としたが結果はあまり芳しいものではない。

ただ思惑通りに近いものが撮れたので、こんな撮り方も悪くないだろうとアップしてみた。全国に数多保存されている車両も正面方向から長いタマで引っ張れるところが少ないだけにありがたい。

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2024年8月18日 (日)

お召し列車牽引のEF5861の流し撮り

長野への旅行はちょうど台風の到来と重なったが影響はほとんどなく、むしろ厳しい暑さに参った。特に黒部ダムからさらに上がった立山室堂(むろどう)は太陽を遮るものもなく熱中症になりそうな酷暑だった。遊歩道も石がゴツゴツしていてウォーキングシューズでは歩きにくく、ライチョウを見つけることも叶わない。現地の自然センターで聞いたところ涼しい場所を好むライチョウは、あまりにも暑いために室堂よりもさらに高いところへ移ってしまったようで、むしろ霧がかかるような曇天か小雨の方が見かけるチャンスは高いというから、今回はそれ以上無理をせずに下山することにした。

初めて訪れた黒部ダムは圧巻。まだまだ建設用の機械も進歩していなかった昭和30年代にあのような山奥にかつてないほどの巨大ダムを建設したことに呆れ、驚き、そのうえで賞賛もするが、過酷な工事で犠牲となった人々の慰霊碑を前にすると、当時と現代の労働者の待遇や扱いを「時代の違い」という言葉だけで片づけてはいけないような感慨がこみ上げてきたのも事実だ。
NHKの「プロジェクトX」や映画「黒部の太陽」などで厳しかった建設中の様子はかじっていたが、実際にあの場に行ってみると、とにかくそんな生やさしいものではなかったと実感できる。ここを訪れるつもりなら景色やその規模だけに注目せず、建設に携わった人々の生き様などを想像しながら足を踏み入れるべきだろう。もう少しそんな感性を磨いて再訪したい。

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旅行中、岸田が秋の自民党総裁選に立候補しないことを発表した。このことは妻がスマホで知って教えてくれたが、終戦記念の日の前日に発表したらどうなるか、あのバカは考えが及ばなかったのだろうか。教えてくれた妻に開口一番、自分がそう言ったのは翌日の朝刊がこのニュースばかりを大きく取り上げ終戦の日の記事が隅に追いやられることと、首相として全国戦没者追悼式で読み上げる式辞が空疎なものに聞こえてしまうことを想像したから。実に大した大馬鹿野郎だ。

まあマスコミも、総裁選不出馬の話をもっと早く察知できなかったから、いかに記者どものレベルが落ちているか露呈してしまったが、それにしても特ダネは降って湧いてくるようなものばかりではなく、「ひょっとしたらこの時期だからこそ岸田が退陣表明する可能性がぬぐえない」と山を張って取材していなければ特ダネなんてつかめないわな。お盆休みで世の中が大きく動かない一週間、休みを取ってのんきに構えていたのだろうが、総裁選が近づき岸田の進退に注目が集まっているこの大詰めで、どの社の記者もその気配を感じていなかったか予想できなかったとしたらマヌケばかりだ。しばらく時間をおいて、さも知っていたようにこの前後の官邸周辺の動きを記事にしても自分たちの無能ぶりを宣伝するだけで後の祭り。「ニュース」とも思えない。

それはそれとしても、この岸田という人物、見事なほど情けない首相だった。世襲をもくろんで秘書官にしたバカ息子が首相公邸の階段で組閣時の記念写真のまねごとをしたのは首相の責任ではないまでも、統一教会の問題は進展せず、防衛費倍増の財源について何も語らず、裏金問題も中途半端なまま。それを今になって「裏金問題のけじめをつける」というのは詭弁以外の何ものでもなく、ならばもっと早く辞めていなければおかしいと言われるのも当然のこと。辞任のタイミングをズルズル延ばしてきたおかげに党内の不満が膨らんで総裁選に出ても勝ち目がなくなり、再選されたとしても今度は衆院選に勝利する自信がないものだから詰め腹を切らされるかと、慌てて退陣表明となったのは無様でしかない。まるで「猫」を噛まずして逃げ回る意気地のない「窮鼠」の風で、一国の首相として滑稽極まりない。

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かつて「鉄道ジャーナル」誌に掲載していただいた写真で、このブログの開設当初もアップしたことのある1996年10月のお召し列車牽引のEF5861。「鉄道ジャーナル」の印刷があまりにも暗く、自分で少し色を調えてみた。

実はリバーサルフィルムの写真を最近の趣味誌に掲載していただかないのは、印刷がデジタルカメラで撮った画像の印刷には適している反面、古いリバーサルの印刷には向いていないように感じるから。中には大変見苦しい色のものも散見され、リバーサルを掲載していただくとしたらポジをそのままお貸しするよりも自分である程度、色調を調整したものを提供させていただく方が良いのかどうか逡巡しているから。

リバーサルフィルムでの撮影は今のデジカメに較べると難易度は高く、ちょっとした露出の過不足も致命的な痛手を受けたもの。緻密な計算や勘が働かなかった自分には失敗も多く、かつては印刷で救っていただけたこともあるが、最近はそこまで面倒を見てもらえないのか、先の「鉄道ジャーナル」のような結果になることが怖い。そこで久しぶりに昔の画像をいじってみたというわけ。

この日は往路復路ともお召し列車として61号機が旗を掲げて走ったが、復路は光が往路よりも芳しくないことから、撮影者の少ない側から手持ちで300ミリ F2・8を振ることにした。また、短い単ダマのレンズだと流し撮りをしない撮影者の邪魔になるため線路に近づけず、ある程度距離が離れても61号機を大きく写すことができる300ミリを採用した。
大口径レンズを手持ちで撮影することにリスクを感じたが、実際にやってみると300ミリ程度ならその重さが上下のブレを抑えてくれる。線路上を右から左、または左から右へと一定方向に動く列車撮影の場合、失敗する確率はそれほど大きくないから自分の場合、あまり恐れずにやっている。

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2024年7月24日 (水)

東武鉄道で走るC11207

初めて行った日光東照宮は見応えがあったが、とにかく暑くて参った。
キンキラキンの成金趣味のような建物は一見、横浜中華街の中華料理屋にも映ったが、古くから中国文化の影響を受けている日本ゆえ、共通したものがあるのは当然なのだろう。しょせん他人である徳川家の墓所で賽銭を出すのもお門違いと思ってお参りは省略したが、それにしても昔も今も金持ちや権力者は無駄にこういうものを作るなどして権勢をひけらかすことが多いのだろうと見た。見事であるには違いないが。

一方、いろは坂を上った中禅寺湖半は下界とは違って涼しく、暑がりの自分でもホテルのロビーや昼食を取った食堂にクーラーが入っていなくても文句なく過ごせたほどで、何と言ってもここは気に入った。昔から避暑地として有名な軽井沢などは今や猛暑が当たり前で、チャラチャラした人も多くガヤガヤしているから、今後行く気にもなれないが、ここは穴場で来年の夏は長期逗留も視野に入れたいほど。おまけに湖畔の森を歩いたらツキノワグマやニホンジカを見つけられたし、動物や鳥の撮影にも良さそうだ。紅葉の時期さえ避ければ案外空いていると聞いたので、タイミングを見計らって改めて動物を探しに行ってみたいとも思う。

宿泊した鬼怒川のホテル「山楽」は上々。特に料理は美味しく、部屋も広々としているから再訪の価値はあるだろう。蒸気機関車の撮影にも至便で、車で撮影地まで10分程度で行けることもあり、あまり前向きではなかったSL撮影もやってしまった。
これまで東武鉄道のSLについては全く関心がなく、どういうダイヤで走ってSLがどちら側に連結されるのかなど皆目知らずに行ったが、ホームページを見れば一目瞭然で便利だったし、下今市や鬼怒川温泉駅のターンテーブルも見学者向けには開放的でありがたい。
運転区間が短いから遊園地の機関車的要素も色濃く、さらにモクモクと煙を吐くような撮影ポイントがないのはやや難点ながら、主たる目的をSL撮影としないで温泉旅行ついでの撮影と割り切れば非常に楽しめるのではないかと思う。目の色を変えてガツガツしたファンがいなかったのは、そういう捉え方で訪れて欲しいと(東武鉄道が)考えているからではないか。

C11は決して好みの機関車ではないものの、ヘッドライトが二つでスノープローが付いた207号機は昔からけっこう気に入っていて、この機関車を撮ることができたのはちょっぴり嬉しい。

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撮影地はすぐに見つかった。熱を帯びた蒸気機関車だからレンズは400ミリまでが陽炎の影響が出ない限界と考え、さらに地面から立ち上る陽炎の影響を受けないように高い立ち位置を探しながら沿線を走ったらお手頃なポイントを見つけたが、ここは有名なところらしいと後で知った。ほかにも数カ所、高い位置から撮れそうな場所はあったが雑草が伸びて夏場は虫も多く、虫除けスプレーも持参しなかったことから道路から撮れるここでカメラを構えた。近くに顔面が削れたマリア像(?)が置かれていたのは少し不気味だったが。


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こちらは2014年の7月に撮ったJR北海道時代の画像。大沼公園駅付近で850ミリ。

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2024年4月21日 (日)

秋田内陸縦貫鉄道の車両

角館は桜が散り始め見ごろのピークを少し過ぎてしまっていたが落ち着いた街並みはやはり素敵で、泊まった武家屋敷ホテルの食事などにもじゅうぶん満足し、楽しみにしていた北上市内の「懸田商店」の鶏のから揚げも絶品、慌ただしい行程ながらも内容の濃い2日間だった。

初日、レンタカーを角館の一つ手前の田沢湖駅で借り、小雨の降る中を角館へと向う途中、秋田内陸縦貫鉄道とクロスする地点に好ましいカーブを見つけ使い初めとなったニコンZ8で翌朝、わずかな時間の中で久しぶりの鉄道撮影もした。
締め切りに迫られた鉄道写真家が絵作りに苦慮した挙句、何とか誤魔化そうとするような安易な場所だが、緩いカーブのアウト側から長いレンズで引っ張れば自分好みになるのではないかと考え、朝食前に通過時刻を見計らって出かけた。しかし立ち位置は自動車専用道路のため車から降りられず、仕方なくグランドレベルにポジションを見つけて撮ったカット。小雨のため新緑に染まり始めた背景の山々が煙ってしまったのは残念。晴れれば順光になるはずの場所で天気さえ良ければ、もう少しマシになったかもしれない。

この気動車と同じ形のものを昨年訪れたときに角館駅でスナップしたものの、その時の車両はボディは青く、あまり印象に残らなかったが、今回の紫色はマッチングが良いように思う。この築堤ももっと暖かくなって雑草が伸びたら撮影は困難だろう。そういう意味ではよい時期だったのかもしれない。かなり久しぶりに撮り下ろしの画像をアップする。

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2024年4月 2日 (火)

お召し列車牽引機EF6211

3月の北海道旅行では久しぶりに帯広を玄関口とした。ちょうど2年ぶりのこと。このところ女満別や中標津空港ばかり利用してきたが、まずは帯広でモモンガを撮り、さらに道東へ移動しようという計画。もともと動物撮影を始めたのは帯広でリスを撮り始めたのがきっかけで、過去何回も行っているから生意気な言い方ながら「勝手知ったる所」。しばしば宿泊する十勝川温泉の豊洲亭の露天風呂付きルームも、市内の北海道ホテルも快適でくつろぐにはもってこい。しかしながら今回はちょっと気分を変えるべく十勝川温泉に一年半前にできたホテルに予約を入れた。

泊まったのは静寂房。豊洲亭よりも料金は高く設備も快適。ネットでそのことを知りどんなものかと予約を入れ、ここに泊まる日は動物撮影を早々に切り上げてチェックインした。
しかし残念ながら自分たちの好みとは合わず些かガッカリ。新設されたホテルで、最近の旅行客が好む趣向に合わせてはいるが部屋の露天風呂は塀が高く外の景色は見えないし食事も大したことはない。大浴場も窓はなく、都内の健康ランドの風呂を小さくしただけのようで、おまけに中国系の外国人がうるさく辟易させられた。館内はプライベートな空間を大切にするような配置で客室が並ぶが、コンクリートに囲まれてまるで刑務所の廊下のよう。レストランも中庭にオブジェが置かれるだけで、せっかくの十勝の外気とは隔絶されている。建築家が高級感を醸し出そうとした形跡はじゅうぶんにうかがえるが、むしろそれが仇となって、あまりにも外界から閉ざされすぎていて閉塞感ばかりが強すぎた。

多分二度と利用することはないだろう。この年になって、高い金を払って分不相応な好奇心を満たそうとしたのは失敗だったが、かろうじて助かったのは連泊しなかったこと。感想は人それぞれとしても、もし十勝川温泉に泊まろうと思っている人がいるとしたら、ここはお勧めできない。もしこの夏もロイヤルエクスプレスが以前と同じようなコースで道内を周遊するとしたとしてもこのホテルはツアーの宿泊候補にはならず、やはり軍配は十勝川温泉第一ホテル・豊洲亭に上がるだろう。

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写真は前回の記事と同じく1978年10月の高崎第二機関区でのもの。当日の朝、まずはここで高崎から長野間でお召し列車を牽引するEF6211の「旗開き」を撮影した後、神保原~新町でEF5861が牽く原宿からのお召し列車を撮った。

午前中、高崎第二機関区では機関車の下り側前面に光が当たらないことからやる気が出ず、モノクロで撮ることを忘れたほどだった。

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2024年2月 3日 (土)

1月の道東の旅から エゾフクロウ②

先月の旅行では道内の公園にも3回ほど行った。昨年訪れてクマゲラを初めて撮影した場所。動物よりも鳥好きの方々が集まる所のようで、シマエナガでも撮れないかと訪ねてみたらシマエナガは撮れなかったもののクマゲラとエゾライチョウ、ミヤマホオジロが撮れて上々の収穫。時期的にモモンガは明るい時間帯には撮れないから日中のほとんどをここで過ごした。

そこで思わぬことがあった。鳥を撮影している方が電話で仲間の方と話していたのだが、どうやらその相手が昔一緒に仕事をした外国通信社のカメラマン(日本人)のような気がして確かめてみたところ紛れもなくご本人。かつてタンチョウの写真をじっくり撮るのに道東にログハウスを建てると聞いていたから「もしかして…」とは思ったものの、約15年ぶりに(電話で)声を聞けたのは驚きだった。
現在、その方は東京と釧路を行ったり来たりしながらフクロウやヒグマの撮影を続けているとのことで、今年のうちには機会を設けていろいろご教示願いたいと思っているが、こんな偶然も長年写真を続けてきた結果かと嬉しく感じた次第だ。

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モモンガの巣を探しながら森を歩いていたらいきなり遭遇したエゾフクロウ。たまたま600ミリレンズにテレコンバーターを付けていたから、まずは逃げないうちにと思ってそのまま撮影したが、驚いて巣穴を離れることもなく、こちらを眺めている様子をじっくり撮ることができた。ビックリさせると可哀想だと思ったから慎重に向き合ったが、これほどそばにいるとは気づかず、むしろこちらの方が驚いたほど。
クロップして1260ミリの画角で捉えたもののZマウントレンズのテレコンバーターのキレの良さには感服した。顔の周りの羽毛もシャープに写って今回の旅行中、随一の画像になった気がする。

実際、笑っているわけではないし猛禽類なのだから愛嬌ある顔つきはそのイメージから異なった印象を受けるが、北海道の人にとってはエゾフクロウが人気者だというのも理解できる。

シマエナガも可愛いが、猛禽類ということを忘れてしまいそうなエゾフクロウも笑顔に見えて惹かれてしまう。


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2024年1月22日 (月)

1月の道東の旅から 「赤い鳥」オオマシコ

自宅の近辺から本屋が減ってはいるが、それでも車を利用すれば6、7軒の本屋はある。そのほとんどはショッピングモールや百貨店に入っているもので、買い物のついでに文庫を購入するには便利なのだが、久しぶりに鉄道雑誌を見ようと思っても以前のように品が揃っていない。まあ、「鉄道ファン」や「鉄道ジャーナル」についてはどこの本屋でも置いているのだが、そのほかの「鉄道ピクトリアル」や「鉄道模型趣味」はない店も多く、まして「国鉄時代」「電気機関車EX」「蒸気機関車EX」などはほとんど取り揃えておらず、先日も久しぶりに「蒸気機関車EX」を見ようと思ったが全ての店になく、あらためて紙媒体あるいは鉄道雑誌の衰退ぶりに驚かされた。
もちろん「国鉄時代」などは購読層が限定され、50歳から60歳以上がほとんどだろうし、しかも年間4回の発売とは言え、一冊¥2500ともなると若い層は手を出しづらいだろうから書店が扱わないのも分からなくはないが、そうなると内容を確認したうえで購入できないから、ますます疎遠になってしまう。

本屋の良いところは内容に目を通したうえで購入するかどうか決めることができるという点にあると思っている身としてはこれは少々辛い。年間購読やネットで購入するにしても、好きな車両の記事や写真が少ないときは買いたくはないし、最近掲載される写真のクオリティや印刷の悪さを考えると中身を見ないで買ってガッカリするのも嫌だ。

そんなわけで自分自身、ますます雑誌離れが進んでしまうのだが、やはり本屋の魅力は立ち読みできるという点にあるのだと強く感じる。

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小鳥に関してほとんど無知な自分も、こんな色の鳥が来れば当然反応する。現地でオオマシコという名前と聞き、世界的に見ても極東にしかいないものだというから何枚も撮影した。冬になると中部以北の日本に飛来するものの数は非常に少ないらしく、野鳥を撮っている方が「モモンガなんかよりもはるかに貴重」だと言っていた。

新婚時代、家でジュウシマツを飼っていたことがあり、生まれたヒナが可愛くて休みの日には日がな一日、眺めていたことものだが、色を除いた外見がジュウシマツにそっくりで当時を思い出した。
これはオス。メスも撮影したが色は茶色で地味。周囲にいた人はメスが来てもほとんどシャッターを切っていなかった。

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2024年1月16日 (火)

1月の道東の旅から エゾフクロウ①

昨晩(15日夜)、北海道から帰宅した。本当はあと半日ほど滞在する予定だったが、大寒波到来の影響で搭乗する予定だった飛行機に欠航の可能性が出たため一便早めた。結果的には正解で、当初乗る予定だった飛行機も予定通り飛んだようだが、釧網線や道路が通行止めになるなどしたため動物撮影どころではなく、少しでも早く帰れて少しだけ画像処理ができたのは幸いだったように思う。無理して一泊延長しても得るものはなかっただろう。
今回の旅の目的は来月と再来月に撮るエゾモモンガの巣穴探し。夜行性のモモンガはこの時期、明るい時間帯に巣から出てくることは滅多にないから、撮影こそできなかったものの7カ所ほどの巣を見つけ、次回の訪問時はその周辺を中心に展開するつもり。

11日から4泊5日の旅。収穫としてはモモンガ捜索中に網走湖近くで偶然見つけたエゾフクロウ。これまでよりも最も近い位置からかなりアップで撮ることができ、達磨さんのような姿をほぼノートリミングでキャッチすることができた。つがいで洞に棲みついているようだが、もう1羽は姿を見せず並んでいるシーンこそ見られなかったが、鉄道写真で俗に言う超望遠での「面タテ」で撮れたのは嬉しい。600mmにテレコンバーターを装着しDXで撮影したから1260mmを手持ちで撮ったことになる。

ほかには昨年も撮ったエゾライチョウは丸々太って美味そうな印象。地元の人によるとキジの仲間だから食べても美味いのは間違いないだろうという。こちらは某公園で偶然目撃した。
ここではバードウォッチャーに人気の高いオオマシコという濃いピンクの小鳥も撮れ、ミヤマホオジロとともに撮り好きの方々が大喜びしていたが、小鳥に関してはほとんど無知ゆえ、その価値は分からないが、この2種の鳥がどこで撮れたかは口外しないで欲しいと地元の方が言うくらいだから、けっこう希少な鳥なのだろう。
まずは無難にエゾフクロウの「形式写真」。もっとアップもあるが、まずは600mm単ダマで押さえたものをアップする。フクロウ好きの人は雪が降らないと撮りに出かけないと言うが、洞の入り口に少しばかりの積雪があって季節感を醸し出してくれた。

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2023年12月 7日 (木)

夕日を浴びるC57180

さて会津旅行から帰る12月3日は喜多方の坂内食堂でラーメンを食べ、マカベ肉店で馬刺しを買うことにした。

宿泊した熱塩温泉・山形屋の朝食は野菜などをはじめ「地産地消」の素材で美味しく、これはこれでじっくり味わったから昼食は遅めの方が良い。そこで午前中は喜多方市内の大和川酒造を見学して地酒を買い(蛇足ながらここの事務所の女の子が実に可愛く美しい。へたな芸能人なんか目じゃないくらい)、昼食時は混雑するであろう坂内食堂へ向かう前に時間つぶしを兼ねて前日と同じ山都の鉄橋で「ばんえつ物語」を迎え撃った。昨日は少し露出をオーバー気味にして白煙の中からC57が現れるような絵を作りたいと思ったが、なかなかうまくはいかず、この日は普通の露出でやってみるべく現地に着くと一番乗り。後から追いかけ撮影の連中がバタバタとやって来たが、「下手な鉄砲」方式の撮影は相変わらずお盛んなようだ。この日も通過5分ほど前に到着して人のすぐ後ろを平気で通る躾の悪い奴は後を絶たない。一番乗りしたおかげで線路沿いの木の枝が線路にかぶらない位置を確保でき無難に終了したあとは予定通り坂内食堂で遅い昼食をとった。

午後は当初からの雨予報。実際、急激に黒い雲が増え始め雨も降ってきたことから「ばんえつ物語」の返しは断念。ところが会津若松で土産を買おうと市内に入った途端、雲が切れ鮮やかな日が差し始めた。喜多方、山都方面に戻る時間的余裕もあったがそちらは雲が多そうで、手近な場所で流し撮りをしたのが今回の画像。手持ちで40分の1のシャッター速度で撮ったが煙は全くダメ。晴れただけ良しとしよう。

郡山でレンタカーを返し18時すぎの新幹線で帰宅。

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