カメラと周辺機器

2024年11月 1日 (金)

新幹線のディーゼル機関車

一週間に渡る今回の北海道旅行の収穫は上々。紅葉もまだ見事で親子のヒグマや懸案だった餌付けされていない野生のシマフクロウも撮影できて大願成就といったところ。特にシマフクロウは日本に150羽程度しかいないとされている絶滅危惧種だけに、死ぬまで見られないかもしれないと思ったほど希少で達成感はとりわけ強い。これで自らの生き物撮影に一区切りがついて、今後はアップ系の絵から少し周囲の景色にも配慮した写真にもトライすることができそうだ。

それにしてもニコンZシリーズのレンズ、とりわけ400ミリ/F2・8の切れ味は圧倒的。天気が良ければ通常は手持ちでも撮影が楽なのは重量バランスにまで配慮した結果。入念な設計が威力を倍加させる。AFもZシリーズのレンズの中では最高速の一本で、それなりの価格はするものの、結果を見れば散財した甲斐はある。今回はこのレンズを中心に使用したが、次回は腹をくくって100~400ズームを持参せずに70~200ズームをチョイスする判断もあり得そうだ。

シマフクロウや川に遡上するサケを捕る親子グマの写真はかなりの数にのぼり処理までにはそれなりの時間を要するが、ゆっくりと慎重に進めていきたい。

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ところで現存するEF65PFをレインボーカラーの1118のように塗り替えた「紛い物」が現れるらしい。かつてそんな噂を小耳にはさんで8月27日の記事で触れたことがあるが(内容はあまりにもバカバカしいから書かなかったが)、どうせ高額な撮影会用フェイク車両。一昔前、香港や韓国などでルイ・ヴィトンなどの一流品のコピーを本物と偽って販売していたのと似たような商法だが、今やそんな被害も下火になっているというのに……。

開いた口がふさがらない。

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旅行にパソコンを持参していたからブログの更新はできたはずだが連日未明からの撮影でクタクタになって、毎晩8時前には就寝してしまったから、画像を外付けハードディスクに落とすぐらいしか作業しなかった。
今回は1977年夏に撮った新幹線用のディーゼル機関車。今はもうこんな車両はないのだろうが、当時は停電などに備えてディーゼルの機関車が準備されていた。高校生のころは何でも撮ってやろうと息巻いていたから品川の海側にあった車両基地に潜入して撮ったものの、海外の車両のようで満足感はなかったことを思い出す。
在来線の旅客輸送から機関車は消滅する時代、古き佳き時代の産物だった。

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2024年7月18日 (木)

お呼びじゃなかったEF58の画像⑩

キヤノンの新型フラッグシップ機R1が発表され、価格が100万円を越えたことが話題になっている。
フィルム時代、カメラマンの憧れだったハッセルブラッドが当時の金額でボディのみ35万円程度で、かなり高額に感じたがR1はその約3倍。当時の物価と単純に比較はできないが、正直あきれているというのがホンネ。プロの写真家でも二の足を踏む値段だし、モデルサイクルからしても4年程度で新型が出るのだろうから、機材にそれほど投資するのも考えものだと思う。大方、マスコミ各社は五輪に合わせてすでに購入済みなのだろうが、メーカーはおそらくボディのみ70万円程度で販売しているにしても、もはや発行部数も激減している新聞の写真が劇的に良くなるはずもなく、そんなものに金を掛ける意味が理解不能。新しい機械を買えば写真が良くなると盲目的に飛びついても、撮影する人間がカメラの性能に頼り切っている現状、写真の向上など易々と図られるわけでもないだろうに。

現役時代、写真のセクションに職種転換者の連中が大挙して異動してきた。元は社有車の運転手や庶務要員だった方々。どちらも今ではじゅうぶんアルバイトでまかなえるような業務で庶務要員は「坊やさん」と呼ばれていたっけ。
彼らは組織の合理化に伴い、まともな試験も受けずに新聞記者やカメラマンになったのだが元来、希望してこれらの仕事にありついた人たちではないからやる気もなく、記事も下手だし写真すら撮ったこともない奴がほとんど。仕事の指示を出してもその2、3割程度の成果しか上げられずずいぶん泣かされた。それでも「石の上にも三年」、それなりの経験をして最近では年功序列でそこそこの役職には就いている。
しかし、元を正せばアルバイトしてカメラ1台買ったこともないような人ばかりで基本的には写真が好きだったわけでもなく、向上心のかけらもないものだからいつまでたっても中身はしれている。なのにカメラがデジタル化されオートフォーカスが実用に耐えうるようになったおかげで撮影での失敗だけは減り、今ではでかい面を晒しているのだから笑止千万。
新型カメラの発展は結構なことだがボディ1台が100万円もするカメラを会社から貸与され、「私は報道カメラマンだ!」などと胸を張ったとて、実態を知っている身にはおかしくて仕方がない。きっとそんな奴こそ定年後、「現役時代はどんなお仕事をされていたのですか?」と尋ねられたらきっと「報道カメラマンでした」などとほざくのだろうが、しょせん出自は会社の都合で職場を変えられた元運転手さんや庶務要員で、考えてみれば彼らほどカメラの発展による恩恵を被っている人たちはおるまい。

100万円を越えたカメラを一人につき2台ずつ与えりゃ失敗だって減るわな。それよりも撮った(撮れていた)写真の中から瞬時にベストのコマを選べ、やる気もないのに写真職場に配置された人間を巧く使いこなす、ポリシーを持ったエディターを育てる方が先決ではないか。
高価な新型カメラの発表を受け、そんなことまで考えてしまった。

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1980年5月3日の浜川崎でのショット。光の当たり具合から荷物の32列車だと分かる。ネガを見てもほかに大窓のEF58が写っているわけでもなく、何を撮りにここへ行ったかも分からなくなってしまった。
もちろん、わざわざこんなEF58を目的に行くはずもなく、この日の自分の行動が意味不明になっている。

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2024年6月16日 (日)

広島駅のEF5869

キヤノンの関係者によればもうすぐ発表されるフラッグシップ機(名称がR1なのかは不明)の画素数は2400万画素らしい。高感度性能を重視したために、この程度の画素数が落としどころになったようだが、それでもせいぜい(高感度は)ISO102400のようで飛躍的な発展とはならないのではないかと推測する。AFに関してはそこそこ進歩があるようだから、これに飛びつく層もいるだろうが、画素数についてはこれまでフラッグシップとしての役目を果たしてきたR3から激減するらしく、動物や鳥などのネイチャーフォトを撮っている身にはさほどの魅力は感じられないのではないか。

なにしろ生き物の撮影は近づけないケースが多くトリミングせざるを得ないものが多い(筆者はトリミングというものについては、しないで済むならそれに越したことはないが当然するべきものだと考えている)。だから画素数が現在主流の4000万画素半ばから半減されるとしたら、トリミング耐性も厳しくなるわけで、これは生き物を撮っている人たちには辛いはず。無節操に新しいカメラに飛びついても(トリミングした後の)画質が悪くなる可能性があるものを大枚100万円(実際、R1はそんな価格になるようだ)も出して導入しても喜べるか大いに疑問だ。

まあ2400万画素とは言え、それがどんなセンサー方式で採用されたかまでは聞かなかったから、キヤノンユーザーは筆者のこれだけのネタで早くも失望することもないとは思うが、この話が現実だとしたらそんなボディを買うよりももうすぐ発表になるであろう180~400ミリ(画角については未定)など、交換レンズに投資した方が利口な気がする。

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この秋、営業運転を終了する高崎の機関車群。9月にお別れ運転があるようで、お仲間からお誘いも受けている。まあ機関車ファンとしては引退に当たってお祭りとして参戦するのも「けじめ」なのだが、今ひとつ気が進まない。大勢の「にわか」をふくめた鉄チャンが詰めかけ、先日の大宮車両所での部品販売会のように撮影現場が混乱して新聞沙汰になるであろうことは目に見えているし、なにしろあの区間では撮影地も限られて面白味もなく、さらにはまだ暑さも厳しいから満足感よりもストレスの方が大きそうだ。

だから「最後だから…」と、こういうイベントに出かけて、これまで満足な写真が撮れた経験が非常に少ない者としては躊躇している。

やる気満々の方々は運転日が休日なのだから、もう沿線のホテルを予約するなり準備しているのだろうが(貧乏ったらしく車中泊を考えている人も多いかも)そろそろ自分も身の振り方を考え始めなければ。

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「電気機関車EX」の連載初回にも書いたとおり目撃したEF58中、最も気に入っていた69号機。広島配属時代は住んでいた関東地方にまで定期で上ってくることはなかったが、61号機に次いで2番目に撮影回数は多い。
列車を牽いている姿を長いレンズで撮るのが何より好きだったが、一方でこういう停車中のシーンも撮りたくてずいぶん、そんな機会がある運用を把握することに努めたものだ。

これは1979年3月に広島駅でのもの。柳井まで単機で下り、そこに疎開していた旧型客車を下関まで廃車回送するときの運用で、同じ日の同じタイミングでお座敷列車を牽いて、やはり大窓の64号機が岡山方面に向かう運用と重なった。どちらを撮るか迷った日の一枚。けっきょく撮影回数の少ない64号機をチョイスしたが、理由はそれだけではなく、上り列車の方が光が良かったことも大きい。

ゼンザブロニカEC-TLで撮ったが、ちょうど雲がかかって思いのほか撮影環境が良くブローニーフィルムを一本使い切ってしまった。
列車の先頭に立つシーンよりも地味な記録だがじっくりと、そして少しでも好きな角度を考えながら撮れたことを今でもはっきりと思い出す。

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2024年3月 6日 (水)

竹倉のEF5861

週末から再び北海道。今回は2年ぶりに帯広に入り後半は別の場所へ移動する予定。また8日間の日程だ。前回の旅行から帰った途端、今年も強烈な花粉症に見舞われて苦しんでいるから、それだけでも早く地元を脱出したいが、今度の旅から帰ってもまだヒノキ花粉の猛威は収まってはいないだろう。

前日の北海道では400mm F2・8の素晴らしさに改めて驚いた。ある場所でワシを撮った際のAFの早さ、レンズの解像力は目を見張るもので、おまけに天気が良く高速シャッターを切れるようなケースでは、三脚や一脚も不要で手持ちでも充分扱える重量バランスの良さ。100~400mmズームやPFレンズの600mmも極めて高性能で重宝するが、それらを凌駕する切れの良さには舌を巻いた。もともとニコンの関係者から、このレンズは解像力やAF速度について絶対的な自信を持ってお勧めできると言われていたが、ここまで凄いとは思っていなかった。そのため今回の旅ではこのレンズをメインにモモンガを撮影するつもりでいるが、下手に一脚などを使うよりも(場が明るければ)手持ちで勝負したいと思う。
現時点でこのレンズに使われているAFのモーターはほかに600mm F4だけだが600mmの方は昨年、北海道で使った限りでは重すぎて飛行機での移動では荷物が嵩むし現場では取り扱いにも苦慮したから、そちらに色気は出ないが、このレンズに限っては太鼓判を押したい。

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フィルムの時代、この写真はプリントするのに非常に苦労したことを思い出す。1980年1月6日の三島~函南。有名な富士山バックの竹倉でのショットだ。実はこの時は初めての訪問。EF5861はそれまでにずいぶんと撮ることができたから、撮影名所で記録することに熱を上げ始めたころで、富士山をバックに撮れるこの地も視野に入った。
ところがこの列車「銀河52号」は早朝の通過で富士山にはうっすら日が当たり始めたものの線路はまだ日陰。しばらく前から天気予報を調べて快晴になることは分かっていたが大きな誤算を前に愕然としたものだった。

そんな状況で撮影したこの写真、富士山と列車の露出差でカラーは玉砕、この白黒でさえプリントする気にもなれず以後、何度もこの地へ足を運び61号機と富士山の組み合わせに挑んだものだった。

ところが時代は変わってデジタル処理ができるようになると、いとも簡単にこれくらいの現像ができてしまう。露出差で言えば影の部分と富士山では軽く3段以上の違いはあるだろう。ありがたい世の中になったもので、いずれピントの悪い画像も修正できる時代になるのではないかと密かに期待している次第。

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2024年2月15日 (木)

長崎駅を発つ気動車混合編成

ニコンZ8の購入を決めた。今回のファームアップが非常に充実したものであり、ちょうど今、メモリーカードのプレゼントキャンペーンが行われていることが追い風になった。数年もすれば、これまでコンパクトフラッシュやXQDカードのように使うこともなくなって、無駄にゴロゴロするだけのカードだが、今買えば¥20000を越えるのだから、これを値引きと考えれば良いタイミングだろう。バッテリーの持ちが不安なのでバッテリーパックもオーダーしたが、これは遠からず発売になるZ6Ⅲにも使えるはずで、もしZ6Ⅲを導入する場合も無駄になるまい。

そろそろ「カメラ終い」をしても良さそうなタイミング。だから購入に当たっては慎重に判断したが、動物を動画で撮影したくなりそうな気配を感じ、静止画を撮らなくなったとしてもしばらくはそちらでも使えるだろう。

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もう亡くなって36年がたつ父の実家は長崎市内だった。斜面にある家は今では伯母が一人で住んでいるが、居間の窓からは下に街並みが見え、わずかながらも長崎特有の情緒を感じたものだった。
幼い頃から何度となく訪れて祖父母や親戚に連れられて市内のグラバー邸や大浦天主堂、中華街などを回ったりしたが、鉄道を撮るようになってからも機会を見て足を運んだ。正直、まだ蒸気機関車が現役だった頃から九州の車両にはあまり惹かれるものがなく、いつも「せっかく行ったのだから」と義務的にカメラを向けていたとはいえ、それでも訪問回数が増えればそれなりにさまざまな車両の記録が残ってはいる。

この写真は1978年3月に福岡に転勤していた父の住まいを足場に祖父母を訪ねたときのショット。大学入学直前で日がな一日、祖父母の家にいても仕方がないのでブルートレインでも撮ろうと出かけた。当時、九州内ではブルトレといえどもヘッドマークは付いておらず、さして注目するほどの被写体ではなかったが、終着駅としての雰囲気だけは良かったものだから暇つぶしにはもってこいだった。20系客車の電源車改造のカニ25や10系寝台車なども客車区で自由に撮影できたし、「みずほ」についてはDD51が重連で牽引に当たっていたことも記憶に刻まれている。

これは2列車「さくら」の出発を撮ろうと駅の浦上方の踏切で待ち構えていたときの余録。どこへ向かう列車なのか記録はないが、「首都圏色」などという小賢しい塗装の気動車すらなかった時代で、寄せ集めのような編成は見ているだけでも面白く映ったものだ。

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2024年2月 6日 (火)

DF504号機解体

北海道で生き物の撮影をするようになって飛行機移動が増え、少しでも荷物を軽くしようと撮影機材の見直しを進めてきた。鉄道の撮影と違って決まったところで場所を確保すればあとは列車を待てば良いというものではなく野山を歩くことが多くなり、少しでも荷物を軽くしなければ体力が追いつかない。もはや大口径超望遠レンズなどは一カ所でジッと現れるのを待つヒグマなどを別とすればほとんどのケースでは「足手まとい」になるから、今や軽いPFレンズが主力だが、そのほかにも一脚やあるいは三脚(あまり使うことはないが場合によってはあった方が楽なときがある)などのアイテムもカーボン製の軽いものへと変更した。

列車撮影をしていた頃はお決まりのハスキーでまかなってきて、それはそれである意味、鉄道ファンのステータス的なものだったが、さすがにもう時代遅れも甚だしい。今年はジッツオやベルボンのスーツケースに収まるような小型軽量の製品で動物撮影に臨もうと準備した。かつては国産品の耐久性が不安で、その中ではスリック製が良いとされてきた時代があるが、最近は国産品のレベルも外国製品を凌駕するほどになり、さらには中国製の三脚などは国産のものよりも安価になってきたから選択肢は豊富。先日は機内持ち込み可能なスーツケースに楽々と収まるSIRUIというメーカーのカーボン製一脚を¥8000を切る価格で購入した。PFレンズの望遠はもちろん、近年は軽くなった大口径の400ミリ F2・8程度なら多少動き回ったとしても使えそう。もうハスキーの出番はよほどのことがない限りなさそうだ。

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保存されている3両のDF50のうち、大阪市東淀川区の菅原天満宮公園の4号機が解体される。解体工事は間もなく完了する予定だが、在りし日に紀勢線でこの機関車に熱中した身としては大変残念に思う。数年前の台風で被害を受け修復ができる状況ではなくなったと聞いてはいたから早晩、こうなることは予想できたものの、保存車両のメンテナンスが難しいことを思い知った次第。
個人的なことだが5年ほど前に30年以上乗り続けたスカイラインGTR(R32)を売却したが、当初は死ぬまで乗るつもりの覚悟だったにもかかわらず、経年劣化の進む部品の調達が非常に困難となり、断腸の思いで売却したことが脳裏をよぎる。だからDF504号機が解体されても、保存後は見学に行ったこともないのだから嘆くのはお門違いなことなのかもしれない。

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上の写真は1980年3月1日に紀勢線・新宮~亀山で行われたDF50のお別れ運転の後、亀山機関区で撮影したもの。構内には人が溢れ、それを規制するためにローブが張られ、その一端が4号機の手すりに結ばれていたから2、3枚ほどシャッターを切ったが、結果的にこれが最後の写真になった。
下は1977年4月2日、宮前~紀三井寺で初めて撮影したときの4号機。この写真で4号機の運転席の窓が量産型よりも大きいことに気づき、試作型のDF50に魅力を抱いたきっかけとなった。
それにしてもこの当時は蒸気機関車こそなくなっていたものの、ほかにもまだまだ個性的な車両が多かったし、同じ形式の中でも特色ある個体も多く見られて楽しかった。それに比べるとJR化後は…と言いたいが、この傾向は鉄道車両だけではなく人間自身にも見られるように思う。会社の幹部、同僚などを見ても個性豊かで面白い人物がいないのは自分のいる組織だけでもあるまい。皆、右へ倣えの連中ばかりで些細なことまで全て上役にお伺いを立て、責任を回避することばかり考えて自分独自で判断することを恐れている奴ばかりだ。
「昔は良かった」というのは年を取った証拠だろうが、つまらない世の中になった気がする。

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2023年12月28日 (木)

「つるぎ」のイベント列車が走った日に

2024年はパリ五輪の年。これまでだったらニコンやキヤノン、ソニーなどのカメラメーカーから新型フラッグシップ機が発売されるが、今回はニコンばかりではなくキヤノンも予告していたR1と称する新製品を出さないと聞いた。原因は開発が遅れているということよりも、(真偽はともかく)「この程度の製品ではまだ世に出すわけにはいかない」という関係者たちの意地によるものらしく、それはそれで意気込みを感じるから大いにけっこう。
それに、そもそも100万円近いカメラを4年ごとに出しても、何十台も買い替えなければならない新聞社をはじめとするマスコミにそれだけの体力があるとも思えないし、プロ写真家にしたってレンズやPCなどへの投資で常にカツカツな状態なはず。もう高額なデジタルカメラの市場も飽和状態に近づいていることをメーカーも気づくべきで、こういう判断は真っ当だと思う。

ちなみにニコンZ9は次かその次のファームアップが当面、最後となるようで、後継機は2024年後半か2025年初頭に発表されるらしい。また、Z6Ⅱの後継機は夏以降になるようで、2月のCP⁺では発表されないはず。

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年の瀬の永田町界隈は裏金問題や、買収容疑で柿沢未途前法務副大臣が逮捕されるなど、「御用納め」どころではないようだ。

しかしながら裏金問題については東京地検特捜部の捜査もあまり期待できそうもなく大物政治家の逮捕までは行くまい。けっきょく派閥の金庫番や秘書あたりにまでしか捜査の手は伸びず最後はうやむやになるのがオチだろう。捜査をスムーズに開始していれば証拠隠滅や口裏合わせの時間もなかっただろうに、問題が表沙汰になっても直ちに強制捜査に踏み切れず、日ASEAN会議があるなどと政治日程に気兼ねして26日まで家宅捜査を行わなきゃ、押収できたものも押収できまい。検察官がゾロゾロ隊列を組んで派閥事務所などに捜査に入ってカッコだけ取り繕ったって、すでに落としどころは政府との間で決まっているはずだから、結末はこれまでの例を見れば想像がつく。
パーティー券問題にしても、形だけの法律を作ったところで抜け道だらけのザル法になるのだし。

日本の政治は三権分立などと言ってはいるが、しょせんタテマエ。つまり民主主義とはお題目だけで「政治家の政治家による政治家のための政治」なわけだ。また来年も「どうせ…」だらけの悪政が繰り返される。

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2010年11月、大阪赴任時代に撮影した「つるぎ」のイベント列車。正確には客扱い後の回送になる。

前月に大阪に転勤したばかりで部屋を借りた新大阪のマンションから徒歩で撮影に行ける場所を探した結果、このポイントなら安全に撮れることを確認したため足繁く通った。まだ「日本海」や「トワイライトエクスプレス」も走って、「雷鳥」も国鉄時代の色をまとった485系で運転されていた。貨物列車にはかろうじてEF66、EF65一般型も残り、新鶴見のEF65PFなども見ることができた。古いネガを見ると1980年9月にこのすぐそばで広島から米原に貸し出されていたEF5869の「きたぐに」をA氏らとともに撮っているが、それよりもう少しだけ塚本寄りだ。

この「つるぎ」、大阪駅着がかなり早朝でまだ暗かったことから少しでも明るくなるこの場所には多くのファンが集まった。
実はこの時に初めてHa知り合って、その後何かと大変お世話になり、北海道の夜行列車撮影などにもたびたびご一緒することになる。年が明けて2024年の2月にはとうとう鉄道のみならず知床のワシの撮影にまで同行するが、古い仲間たちでも鉄道以外にカメラを向ける旅をしたことがないから、これほど親しい間柄になるとは思いもよらなかった。ひとえに彼の人間性に惚れた結果だが、今回の画像はその出会いの記念でもある。


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2023年11月25日 (土)

157系お召し電車の試運転

これまで何度か書いてきたようにニコンは来年のパリ五輪に新機種を投入せずZ9で乗り切るようだ。巷ではZ9の高速連写機が投入されるのではないかとの噂もあるようだが、そんな間に合わせのようなフラッグシップ機を発表するほど愚かではなかろう。どうしてそんな話が流布されるのか不思議だが、報道現場でのニコンのシェアを考えれば、ここで慌てて連写に特化した高級機を出してもシェアの回復などにはつながらず、新聞など紙媒体の発行部数が低迷している報道各社の懐具合を考えれば、じっくり新しい技術を熟成したうえでZ9のようにほどほどの価格でしっかりした製品を出してくるように思う。高感度性能を上げるために画素数を控えめにしてグローバルシャッターを載せただけのZ9の派生機種などでは誰も易々とは振り向くまい。

ただしそこはカタログでうたっているように「UNSTOPPABLE」のZ9。あのニコンが手を拱くことはあり得ない。おそらく五輪までの間に2、3回ほどかなりのファームアップをしてくると予想するのは当然のこと。小耳にはさんでいることはいくつかあるものの、年明けのCPプラスまでには何らかのアナウンスがあるのではないかと見ている。なにしろZ9の設定メニューを見れば、まだ新機能を付加できそうな余裕もありそうで、自分のカメラでそれを見るたびに何らかの「気配」が感じられるのだから。

まあ速報性がより重視される五輪では送信時間のアップに寄与するファームアップがあるのは日を見るより明らかだが、撮影に関する機能もさらに充実するはずで、開催直前になって予想外なファームアップでもあればより面白い。
2024年もZ9は「UNSTOPPABLE」を続けるはず。大いに期待し楽しみにしている。

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今年は意識的にEF58のネタを避けてきたこともあって、掲載する写真に苦慮してきたが、年が変われば再びEF58の画像もアップしてみようと考えている。今回は1977年7月に田町で撮影した157系お召し電車の写真。

この時は下田の御用邸に行く際の試運転で品川と東京駅の間を往復した。しばしば運転する編成ではないから当然、試運転は行われるわけで、当時高校生だった自分は前の日に品川駅で職員の方からこの情報を聞いて出かけた。
正直言えばいくらお召し編成でも電車にはさほどの関心はないから、暑い夏の午後に外出するのは億劫だったが、蒸気機関車以外の鉄道車両を撮り始めて間もないころとあって好奇心が勝ったようだ。

日光型とも呼ばれる157系はすでに「白根」や「あまぎ」などから撤退していて、あの大きなヘッドマークもない状態では間の抜けたようなイメージで、非公式行事とは言え日の丸でも欲しいところだった。

東京~品川間でホームからの撮影に関しては最も適していた田町のホーム東京寄り最先端、今でも時折撮影している人を見かけるが、線路沿いには高いビルが増えて、日中でもこれほど日が当たらなくなって殺風景になったように感じる。

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2023年11月22日 (水)

岡山機関区のDE50

ニコンZ8を購入しようかと考えている人に耳よりな情報。
ある筋から聞いた話では、もうすぐキャンペーンが始まり期間中、Z8を購入した人にもれなくCF-Bカードの128ギガだか165ギガがプレゼントされるらしい。動画撮影にも力を入れているカメラだから、プレゼントされるカードも名も知らぬようなメーカー製ではなく、(動画撮影による)発熱にも耐えうる高品質のものになるのではないかと推測する。買えば¥25000前後のものだろうから、これはなかなか気が利いたキャンペンになりそうだ。ボーナス時期も近づいている今、購入希望者は多いと思われ、Z8を検討している知人にもあと少し待ってみたらと伝えたところ。

これまで様々なカメラを使ってきて、いろいろなメモリーカードを購入してきたが、数年もすれば不要あるいは使えなくなったものは数多く、無駄な出費を避ける意味でもこういうキャンペーンは大いに活用したい。

その後判明したのはこのキャンペーンが12月1日から開始されること。来週月曜日あたりに発表があるようだ。

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このDE50という機関車、試作車ともいえる1形式1両で、実際にはほとんど使われたことがないのに、津山で保存されているのだから不思議なものだ。製造後、伯備線などでテストしてから長い間、岡山機関区に保管ざれていたから、1978年3月に撮りに行ったことがあるが、すでに動くような状態ではなく、このまま廃車解体されるものだとばかり思っていて保存されるなどと想像もしなかった。考えようによっては、保存するために造られたようにさえ映る。さまざまなテストを重ね、そのデータはその後の機関車で生かされたにしても、自動車で言えば慣らし運転さえ終わらないまま廃車されたと言ってもおかしくないような気もする。

この時の岡山機関区訪問はこのDE50が目当てだったが、今になってみるとたまたま駐泊していた吹田第二機関区所属のEH10の4号機の方が大きな収穫だったように思う。パンタグラフが中央に寄った試作型EH10で、パンタを上げた状態で形式写真的に撮れたのは非常にラッキーで、機関区を後にする頃にはDE50の存在など忘れてしまっていたほどだ。


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2023年11月 1日 (水)

エゾタヌキと初遭遇

先月の北海道旅行では出発前、どんな動物を撮るか狙いが定まらない状態だったが、現地に着いてみると今年はヒグマが多く見られた。本州ではツキノワグマによる人的被害も多く、殺処分について賛否があるようだが、知床に限って言えばそのような被害は今のところ発生していないらしい。本州に比べればまだ餌が豊富なせいだろうか。遡上してくるサケを捕まえてそれを河原で食べるシーンは何度も見かけたし、腹いっぱいになってウトウトとのんきに昼寝をしている写真を撮ることができたこと思えば、やはり餌にはさほど苦労していないのかもしれない。昨年は9月下旬に知床に行っているがヒグマは目撃できなかったから、今年は遡上が遅れたサケを冬眠直前に貪る「食いだめ」のタイミングだったようだ。

ウトロから少し奥に入った岩尾別川ではヒグマの写真を撮ろうと多くの写真愛好家が集まっていたが、ここに集まる連中は自分よりも年配の地元民が多く、よそから来た人に対して高圧的で毎度不快。そもそも車中泊で一日中、そこに居座って地元に金を落とさない連中がデカい面をしているわけだが、こういう傾向は蒸気機関車を撮る年配者にも見られ、どこの世界にもいるから、巧くおだてて情報を得るに限る。今回もそんな対処をしてあれこれネタを頂戴した。とにかく自分が撮った写真を見せて自慢しまくる方々が多く、それを見て(見せられて)「凄い!」とか「さすが!」とか「羨ましい!」などと言っておけばコロッと態度が変わる。言ってみれば「馬鹿と鋏は使いよう」というわけだ。
というわけでけっこうな数のヒグマを撮ることができた。

ところで今回の収穫はヒグマもともかく、先にも書いたが初めて遭遇したエゾタヌキ。それにクマゲラとエゾフクロウ。
タヌキは本州ではしばしばみられるが北海道で遭遇したのは初。キツネは頻繁に見られるがタヌキについては道内に在住している人でも滅多に見られないらしい。特に冬は足の短いタヌキは積雪の中を歩くのが苦手で一日中、巣穴で過ごすことが多く、まして明るい時間帯に見るのは稀有だと聞く。
津別のホテルの庭にシジュウカラやゴジュウカラが食べ残したヒマワリの種の硬い皮を狙って現れた。最初、外来種のアライグマかとも思ったが尻尾に縞がなく本物のタヌキ。アップで顔を撮ることができたが、思っていたよりもなかなか可愛らしい。キタキツネは子供のうちは非常に可愛いが大人になるとそれほどでもなくなるのに対してタヌキは大人でも愛嬌がある。

上は鼻の頭にヒマワリの種をくっつけたまま顔を上げたシーン。下はシジュウカラかゴジュウカラの死骸にありついたところ。別の個体のようだが、ともに生後4、5か月程度の兄弟。どちらもニコンのFマウント500mm F5・6PFで撮った。主力はまもなくZ600mmPFに移るが、このレンズがなかったら自分はこんなに動物撮影に熱心になれなかったに違いない。これまでで最も頼りになり、かつ重宝したレンズだ。

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