模型

2024年1月31日 (水)

EF8181の流し撮り

年齢のせいか時間がたつのが早いように感じる。ついこの間、年が明けたと思ったら1月ももう終わり。振り返ると何かとあったし、北海道にも動物を撮りにでかけたのだから、そう考えれば現実に一か月が経過しているのだと納得できるが、それにしても若い頃に比べれば時の移ろいというものが早いように迫るのも事実だ。

1月27日、模型の蒸気機関車をキットから製作していただいている大阪の工房に電話した。「もけい工房ぽっぽ」という名の高坂雅信さんという名人が請け負ってくださるところ。この前に組んでもらってから5~6年ほど間が空き一昨年、久しぶりにキットをお預けしていたが、そろそろ完成の時期を迎え金の工面をしなければいけないと思ったからだ。ところが電話に出た奥様が「主人は今朝、亡くなった」という。自分の年齢も年齢だから周囲には亡くなった人も頻出し訃報も増えたが、連絡をしたちょうどその日に亡くなったという事例に直面したのは初めてで、とにかく仰天して半日ほど何事も手が付かなかった。

これまで20年以上に渡って高坂さんには蒸気機関車や気動車を特定番号機に仕立ててもらい、まさしく「家宝」というべき作品に仕上げていただいている。特にそのセンスはただ完成させればそれで一丁上がりではなく、ご本人が蒸気機関車をよく見てきた経験から微に入り細に入り特徴をつかんで仕立てたもので、ただただディテールアップしただけの無味乾燥なものではなく、お願いしたこちらの方が「こんなところにまで手を加えてくれた」と恐縮してしまうほどの技量。しかも製作期間は毎回約束通りだし(だいたい半年。この手の工房では異例と言えるほど早い)、工賃もキット代をふくめ天賞堂の金属製蒸機と同等あるいは安価なのだから、ありがたいというより言葉はなかった。キットを組み立てることもできない自分でも「高坂さんにお願いすれば…」といくつものキットを購入したのは同氏の存在があったからこそ。一昨年、電話でお話しした時はちょっと体調を崩したとおっしゃっていて、今回は工期を1年半ほどにしたいと言われてはいたがよもやの結果になってしまったのは残念極まりない。

この4日間、作っていただいた作品を眺めつつご本人を偲んでいる。

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今後、列車撮影に没頭することもなさそうな現況だが、一つやり残していることに気づいた。お召し列車牽引をしたことがあるEF8181が国鉄当時の塗装に戻され早10年近くなるものの、流し撮りをしていない。
「北斗星」を牽いて車体側面に流れ星をまとっていた時代には、こんなイベントものでやっているが、ローズピンクとでも言う色に戻されてから撮っていないのはちょっと心残り。そろそろ「カシオペア」の去就が気にされる時代、機関車の将来も同様で、本線を走る機会が減ることを当然想定しなければならない。

たぶん撮ったとしても満足感は薄いだろうし、自分に義務を課すような撮影行を潔しとしたくはないにせよ、例えば検査期限などがファンの間で噂になり始めてからでは、どうせEF65501やDD51842あたりと並んでますます注目度が高まり撮影地では厄介事が増えるのだから、少しでも穏やかなうちに残った「宿題」は片付けておくのが賢明。自分が流し撮りのホームグラウンドとしている高崎線の岡部付近を順光下で走る機会はないだろうか。

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2023年10月 2日 (月)

小野田~厚狭のEF66貨物

予約していたUーTRAINSのキハ30・500番台(両運転台)が入った。全体としての出来が良いのは毎度のことながら、引き取ってきた製品は運転台助士席の窓脇にある金属製ステップ(足掛け)の取り付けが甘く、帰宅して箱から出してみると外れていた。まあ、こんなことは模型業界ではよくあることゆえ慣れっこになってしまって腹も立たないから瞬間接着剤で補修したが、もう少し品質管理には気を遣って欲しい。直接、UーTRAINSの店頭で買ったものではなくモデルスイモン経由で購入したから、修理を頼むのも面倒くさく「泣き寝入り」するが、メーカーの店頭売り商品でないとこういうB級品をつかませられるリスクは高いのかもしれない。昔、天賞堂の蒸気機関車模型でも、銀座の本店で買わなかった商品に、煙室扉ハンドルが曲がっている不備が3回あったことを思い出す。まあ細かい点だから部品が外れていても気にしなければ看過できるが、保証制度もないのに高額な鉄道模型、もう少し念入りに作って欲しいと思うのは正直な思いだ。

ついでに言えばUーTRAINSの製品は良くできてはいるが、モーターから動力が伝わる側の台車前面に伝達装置先端の丸く大きな金色の部分が露出していて、こればかりは致命的欠点。そのためスノープローのある耐寒型でなければそこが丸見えとなって目立ち、模型も実車同様、前方から眺めることの多い者としては大いに不満。この部分を黒に染めるなどしても走らせると色が剥げてしまうので、敢えてそのままにしているのだろうか。自分好みの車両を数多く模型化しているメーカーだけに欲しい製品はたくさんあるのだが、スノープロー付きじゃないと手を出す気になれないのは残念至極。

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個人的なことだが、結婚式を挙げて本日で40年となる。社会人になってすぐに結婚したから、もう人生の3分の2を妻と送ったことになるわけだ。婚姻届は式より4か月前に出しているが、やはり結婚記念日というのは式を挙げた日の方が記憶に刻まれるもので、実際のところ自分は書類を提出した日にちは覚えていない。

ただ元号で言えば昭和58年の6月に提出しているのは間違いなく、ならば6月1日に届けを出しておけば「5861」になって忘れるようなことはなかったはず。物忘れが多くなった昨今、こういうものこそ絶対に忘れない数字にこだわるべきだったと反省してしまう。

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今日は職場のテレビがどの局もジャニーズの記者会見を生中継で放映していてウンザリ。しょせん外国のテレビ局に触発されてようやく問題化したニュース。それ以前からマスコミはジャニーズにへいこらして喜多川の行為を知りつつも報道しなかったくせに、いまさら「主犯と共犯」で茶番劇をやっているだけとしか映らない。

ところで「SMILE-UP(スマイルーアップ)」とかって言う新社名、かのマック赤坂氏の政見放送を思い出してしまった。

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頭に変なものを載せる以前のEF66。小野田~厚狭で1985年3月に撮影した。ここはブルトレなどを撮るのに適していたポイントだったが編成が長いと後方が隠れてしまう。それを承知で300mmを使った。

東京発のブルトレ牽引機がEF66に代わった直後で某雑誌社から、ここで撮った写真をリクエストされたが、長いレンズを使ったものだから「さくら」や「はやぶさ」「みずほ」でも編成後部は切れ、短い「あさかぜ」が雑誌に掲載された。
個人的には編成が切れても何ら違和感はないと感じていたが、古い感覚にとらわれる編集者も多かった。

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2023年2月 1日 (水)

天賞堂C60(旧製品)

総理大臣が公務で外国に行くと、各閣僚にお土産を買ってくるんだとさ。

(嘘か誠か)官房機密費ではなくポケットマネーだとしても大変ですな。もちろん金銭的な観点ではなく、そこまで(部下である閣僚に)気を遣うことに対しての率直な感想で、社業で出張に行ってもせいぜい職場の皆さんで食べてね、と饅頭やチョコレート程度しか買ってこなかった人間としては汗顔の至り。空港や駅の売店の土産品であっても不平を言うような部下はいなかったからチョロいものだったけれど、首相や閣僚ともなれば土産一つにもそうはいかないのでしょうか。ならば強引に「公用」との解釈も可能だとしても、さすがにそれは個人的なご機嫌取りであって、タイトなスケジュールの中、国のトップが、そこまで部下たちにへりくだらなくてもよろしいのではないでしょうか? 「赤福」や「マカデミアンナッツ」だってじゅうぶん、真心の問題だと考えますが、贅沢に慣れ親しんでいる大臣たちには通じないのですかね。民間企業に身を置く者としては公用車に運転手、それに補佐官とそれに随行する役人(大使館員?)まで使うほどの案件とも思えません。

公務の外遊なのですから今後の「お土産」は閣僚だけではなく国民が喜ぶような、もっと有益な「お土産」であって欲しいもの。そちらにこそ、ますます真剣で行き届いた配慮をしてくださいますよう、どうかくれぐれもよろしくお願いする次第であります。

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このところ鉄道模型の方はほとんど手つかずでいたが、先日、U-TRAINのホームページを見ていたらキハ35が製品化されるとの予告を見つけた。キハ35は昔、蒸気機関車を撮ったころ関西線などでよく見かけた気動車で、ドアが外吊りだったのが特徴。国鉄から払い下げられた車両が、近年まで関東鉄道などの地方私鉄で活躍していたから、撮影した若い方も多いと思われる。

このキハ35、だいぶ前に16番モデルでは神田のカワイモデルが製品化していて、中学生だったころに親から何かの機会にプレゼントでもらったことがある。蒸気機関車と並べると関西線の奈良や王寺の光景を思い出させる重要な脇役だから、実物のSLがなくなってからも模型で当時のムードに酔いしれていたものだ。しかし、そのころは今よりも模型もまだまだ精密さに欠け実感的ともいえず、少しずつ目が肥えるに從って物足りなさが増し、とうとう行方知れずになってしまった。
そのキハ35が今回、あのU-TRAINから発売されるのだから手をこまねいているわけにはいかない。同社のキハ22を持っている者としてはその良さは百も承知しているから、さっそく予約を入れた。転勤が多かった社会人時代、何年かに一度は引っ越さなければならないからレイアウト(ジオラマ)など作るゆとりも技術も設置するスペースもなく、SLの横にDF50やDD54、気動車などを置いて悦に入るのがせいぜいだった身にとって、機関庫や駅などのストラクチャーよりも、こういう車両が大いに役立った。しかも6両とかの編成単位で買い揃えずとも良く、小ぶりな機関区のレイアウトセクションでもポツンと1両置くだけで俄然、雰囲気が盛り上がることも嬉しい。もうSLのモデルはほどほど集まったから、これからは高価な機関車模型よりも同じ金属製でも半額以下と安価で、かつ最近急速に精密度を増す、これら「箱モノ」にも注目したい。

選んだのは両運転台付きのキハ30-500番台、寒冷地仕様。関西線では見かけなかった北国バージョンにしたのは、スノープロー付きの車両が好きなこともあるが、そのおかげで16番モデルのガニ股が隠せるため。所有している蒸機モデルもスノープローを付けてガニ股が見えないようにしたものが多く、実物とは異なるものの、これは納得ずく。車両撮影同様、模型も前面方向から眺めることの多い身には、やはり16番は寒冷地仕様が無難だ。

久しぶりの気動車。早くもワクワクしてきた。

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目先を変えて模型の写真。2006年の秋に当時使っていたマクロレンズで撮った天賞堂のC60。もともとC59もC60も好きだと言えるほど身近で見られる存在ではなかったが、煙突脇に小型のデフを備えた盛岡のC60は子供心にカッコイイと感じた。このモデルは2002年ごろに、まだ20万円以下で発売されてすぐに購入したが、その後、さらにグレードアップした高価な製品が再発売されている。

見たこともない「はつかり」のヘッドマークを別途購入し、両面テープで貼り付けて手持ちで撮影したのは気まぐれだが、長めのマクロレンズでこんな風にほかの機関車も撮ってみようと思っている。模型の写真は動いていなくとも被写界深度やライティング、模型に付着した埃などにも気を遣わなくてはならず、実物の撮影よりはるかに難しく手間がかかるだろう。

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2009年夏、ニコンD3で撮った関東鉄道のキハ35。犬を飼いたくなって横浜から現在の守谷市に引っ越した義父の家に出かけた際に撮ったもの。もう現役を退いたと思われるが、まだ解体されず水海道の車両基地に残っているのだろうか。

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2021年9月28日 (火)

紀伊田辺駅のキハユニ16

軽自動車を駆って往復250㎞の河口湖へのドライブは予想以上に快適だった。昔、会社の同僚の軽に乗せてもらった時は、ちょっとした上り坂になるとエンジン音が高まり、あえぐようだったから、そのときのイメージを払拭しきれなかったが、今のものにはまったくそんな様子はない。もっと急坂なら起こり得るのかもしれないとしても、往復の東名高速や富士五湖有料道路においては皆無。3人乗車していたにも関わらずだ。

小さくて取り回しは良いし、クルーズコントロールに頼った運転も快適。いっそこのサイズで300馬力ぐらいある車を造って欲しいと思うほど身のこなしは軽やか。昔乗っていユーノスロードスターを思い出す。もう1台のBMWの出番はますます減るだろう。人生も終盤に差し掛かって「初モノ」の素晴らしさに出会った。

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1977年のゴールデンウイークに旅した紀勢本線・紀伊田辺駅で撮ったキハユニ16。
このころはまだ湘南電車80系のような2枚窓の気動車が残っていて、関西や九州などで思いがけず遭遇することがあった。鉄道模型で蒸気機関車を集め始めたころ(今でもそれは続いているが)、こういう気動車を脇に置くと蒸気機関車晩年の時代を想起させるから、良い製品があると購入しようと何度も考えたが、精密な製品にはなかなかお目にかかれず、金属製よりもプラスティック製品が台頭し始めてから、ようやく少しずつ集めるようになった。

昔、母と買い物に行ったとき、機嫌が良かったのか模型を買ってくれると言われ、さすがに高価な蒸気機関車は遠慮してカワイモデルのキハ35系を買ってもらったことがある。この車両、よくSLを撮りに行った関西圏で見慣れていたせいだろう。しかし幼い自分の目にも適うものではなく、満足にはほど遠く、ぞんざいに扱っている内にどこかに行ってしまった。今となっては母の形見として、手元に残っていたらと思うが、当時の鉄道模型はほとんどがその程度の出来で、初めて自分の目に適ったのは1971か72年頃に発売されたトビーのC58。¥26200という価格はかなり高価だったが、何としても入手したくコツコツと小遣いをためた記憶が残る。

写真のような編成、できたら模型で再現したいものだ。

(写真、文:U)

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2021年9月21日 (火)

室蘭本線・幌別付近のD51231

この連休はカシオペアの撮影もキャンセルとなり自宅で模型をいじっていた。不器用者の自分としてはちょっとしたウェザリングや追加加工程度で大したことはしていないが、手際が悪いだけに時間がかかって返って暇つぶしになった。当初、予定していたカツミの金属製DF50のウェザリングは先に送って、だいぶ前に東京・堀切菖蒲園のフェニックスという模型店で買った特製品のC57135(アダチ模型バラキット組み立て)のテンダー台車端梁を取り付けるという、自分にはかなり難易度の高い作業などに没頭した。

そもそもこの模型、「特製品」という割には現在の天賞堂の既製品の金属製蒸機に劣るディテールで、エンジン部はそこそこにしてもテンダーの方はかなりなおざりになっていて、後ろから眺めるとおもちゃ同然。今から30年前に¥250000ほどしたくせに、台車の端梁も付いていないとは手抜きと言われても仕方あるまい。この間、実物撮影やほかの趣味などで模型に関わる時間がなかったから放っておいたが、実物の車両に撮りたいものがなくなって模型に回帰した今となっては黙認し難い。ようやく着手した。

塗装済み完成品に半田付けするのは、なかなかハードルが高く、おまけに老眼が進んでかなり難儀したが何事も挑戦。案外うまくいったものだから気を良くして煤(エコーモデルの「ウェザリングブラック」という粉)を擦り付けてウェザリングまでやってしまった。

やはり蒸気機関車は少し薄汚れていないと現実感がない。今の復活SLも悪くはないが、現役時代を少しばかり知る者としては、煤で手を真っ黒にして悦に入っている。

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しばらく前にアップした画像と同じ時に撮影したD51。1972年2月の室蘭本線・幌別付近でのもの。詳細は前の記事に譲るが、日暮れが近づき駅に引き揚げながら後ろを振り返って撮影した。まもなく中学生になる寸前とはいえ小学校6年生では露出補整など、よく分かっていなかったが、何とか画像処理で見られるようにはなった。

(写真、文:U)

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2021年9月18日 (土)

高知機関区のDF50

かねてからの噂通り本夕、常磐線経由で上野を発つ予定だった「カシオペア」は催行中止となったもよう。
まあ、初の常磐線回りだからと言っても機関車も客車も取り立てて変わり映えはないし、同線内には象徴的な撮影地もなく「だから何だ!」という気がしていたが、刈り入れが迫り黄色くなった稲穂との絡みは絵になったかもしれない。けっきょく、こちらも天気が悪くては台無しだが、年に1度あるかないかのチャンスではあった。納車から1か月半足っても500キロしか走っていない軽自動車の1か月点検を前に、遠出をしておこうと予定していたがそれも叶わずオイル交換となりそうだ。

台風接近でどこに行く予定もなくなり、きょうは16番モデルのDF50のうちカツミ製の方をウェザリングしようと考えている。さすがにムサシノモデル製はもったいなくてできないが、同じ金属製でもカツミのものなら失敗しても痛手は少なそう。もっと安価なトミックス製を買ってきて練習用にしても良いが、雨で模型店に行くのも億劫だからぶっつけ本番となりそうだ。

参考に1978年3月に高知機関区で撮影したDF50の写真を眺めている。EF58よりも好きだったのは蒸気機関車の現役時代を思い起こさせる車両だったことも一因。模型でも蒸機と重連を組ませたり、並べてみたりすると当時のムードが漂って効果抜群。午後から作業に取り掛かろうと、あれこれ写真を眺めている。

(写真、文:U)

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2021年9月 7日 (火)

EF5861の「はと」に乗車した日

1週間ほど前に納入された模型に、ちょっと考えられないような不備が見つかった。あるお店を介して著名なベテランモデラーに依頼したものだが、どうしてこんなことが起きたのか不可解。さっそく改修を依頼した。具体的な内容は書かないが、作業に慣れてしまい初歩的な点を失念していたのかもしれない。

間違いは誰にでもあること。全体的な完成度は極上だし、それ自体を責める気はサラサラないが、どんなアフターケアをしていただけるかは注目すべきところ。仲介してくれた店がどれだけ信頼できるかはすべてここにかかる。対応を見届けたい。

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かなり以前にもアップした画像。1982年7月25日に撮影したもので、この日は品川客車区からこのリバイバル「はと」に乗り込んで東京駅に向かい(回送列車)名古屋まで乗車した。したがって走行写真は撮れず、東京駅に停車する光景とこんなカットのみが残った。

車掌にお願いして超ワイドレンズを付けたニコンF3Pでノーファインダーで撮らせていただいた。
もっといろいろなアングルで撮ってみたかったが過密な東海道本線。対向列車とすれ違わない区間で、限られた時間となればチャンスは1分もなかった。カメラを落とさないようにストラップを腕にぐるぐる巻きつけて固定しても風圧は強く、ヘッドマークがフレームから外れたコマもあり、これぐらいしか記録できなかった。

両端にヘッドマークが付いていたからこそチャレンジしたもので、そうでなければこんな発想は浮かばなかったに違いない。金谷か菊川の付近だったように記憶している。

(写真、文:U)

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(写真、文:U)

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2021年8月30日 (月)

引退迫るキハ81&釧路川下り

1978年9月撮影の紀勢線・和歌山~新宮の電化開業で引退が迫ったキハ81。これは名古屋発の1D。43年ほど前のもの。黒江~紀三井寺で捉えた。
このころキハ81は名古屋発着の1Dと2Dの天王寺側にのみ連結されていて、しかも1日おきの運用だった。だから和歌山に長期滞在していてもキハ81は毎日同じ列車で撮れるわけではなく今日は1Dの先頭、明日は2Dの最後尾というローテーションだった。

この写真はかつて同じ場所でカラーで撮ったものをアップしたが、この日は天気が悪くモノクロのみで撮影。なかなか味のある車両だった。

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カヌーで釧路川を下ることは昔からの憧れだった。幼いころにコマーシャルで見たり、カヌーイスト・野田知佑氏の本を読んだりして、ゆっくりと自然の中を流れる釧路川に身を置いてみたいと思うようになった。
もちろん行こうと思えばもっと早く訪れることはできたのだが沖縄や知床行きなどが頻繁になって、いつの日か優先順位が後の方になってしまった。一昨年秋、妻と湿原の展望台に立ち、近いうちに是非とも釧路湿原のカヌーツアーを実現しようと決めたのだがあいにくのコロナ禍。収束も見通せず、ワクチン接種を機に今度こそと決行した。

とにかく良かった。
ゆっくりと静かに流れる釧路川でカヌーを漕ぎ、岸辺に集まるエゾシカやオジロワシ、タンチョウヅルなどを観察し、ガイドの案内を聞きながらのアクティビティは極めて贅沢なひとときで、季節を変えてまた訪れたいと感じたのは至極当然。北から南まで素晴らしい自然が残っている日本だが、ここ釧路湿原は自分にとって知床などと並ぶ最高の環境だった。
小学生のころから幾度となく北海道に渡っているくせに、鉄道撮影にばかりかまけていて、愛らしい動物や自然環境の良さを積極的に享受しようとしなかったことを強く後悔した次第。

見ておくべきものは数多ある。

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川岸で草を食べるエゾシカ

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ヤツメウナギを探しているタンチョウ 

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ことし生まれたオジロワシはすでにだいぶ大きくなっている

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28日は車で巣鴨の「さかつう」へ、ある品物の受領に出かけたら都内の一般道は大渋滞。パラリンピックの期間中、通常の料金に¥1000も上乗せさせられる首都高速(都内区間)の通行料をケチったからだが、国民を馬鹿にしたそんな理不尽な料金、意地でも払いたくはない。そもそも横浜から巣鴨往復をしただけで¥5000近くなるなど許せるわけはない。当然、一般道を利用した。

ところが自分と同じ考えの人が多いようで一般道はどこも渋滞。おまけに都心部はパラリンの警備で、東京のことなどよく知らない他県から応援に来た警官が多く、現場の指揮も悪いときているから二重苦。さらにはサンデードライバーのような奴も多くて往復5時間も浪費してしまった。

「さかつう」から納入された模型は、いずれこのブログでも画像をアップすることになるだろうが、これで実物撮影はもうしなくなるのではないかと思うほどの素晴らしさ。詳細は別の機会に。

(写真、文:U)

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2021年8月 6日 (金)

品川を通過する「さくら」

前回の写真と同様、品川で撮影したもの。1列車「さくら」を牽引するEF65505。記録には1977年6月26日とある。この日は日曜日で荷物の35列車を撮った後にダラダラと約1時間半ほど品川駅構内でウロウロしていたようだ。今や撮影に行っても貨物列車も減って、待機時間を持て余してしまうことが多いが、当時の品川はそこにいれば何かしら撮るものがあって退屈することはなかった。もちろん日の入りの早い季節はこの1列車も暗くなってしまうから撮るのは困難になるが、夏などは18時ごろまでダラダラとホームに居残ることもあった。

下の写真は以前も掲載したことのあるムサシノモデルのEF65だが、今回アップしたのは知人が同社のEF65Pを購入しようかどうか迷っていて、できたら写真を見て判断したいと言うので手元にあった中から再掲した。彼はカトーのプラスティック製も選択肢に挙げているが、高価ではあるものの、せっかくならこのムサシノ製にするべきだとアドバイスしている。

(写真、文:U)

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新型コロナウイルスの感染拡大に伴う病床逼迫に対応するため、感染者が急増する地域では重症患者や重症化リスクの高い患者以外は自宅療養を基本とする政府方針。これって飲食業者に酒の提供をさせないために、金融機関に酒類の提供停止に応じない飲食店との取引を行わないよう(酒類販売業者に)求めようとした前例のように、外出自粛をしないでコロナ感染した人には医療を提供しないという「脅し」をちらつかせた、実にいやらしい脅迫まがいの施策であるように感じた。

感染者が増え、さらなる危機意識をもってもらうことを狙ったにしても、まかりまちがって運用されてしまうと大変な事態を招く可能性も高くきわめて乱暴すぎる。菅という首相はいったい何を考えているのか??? さすがに与党内部からも撤回要求が出てトーンダウンはしたものの、これまで学者の予測もなおざりにして五輪を開催しておきながら、いざとなったらとんでもないことを考えているということがまたもや露呈した。げに厚かましく恐ろしい連中。

さりとて野党も無策。総選挙が迫ってもただただ与党を攻撃するばかりで、キャンキャン吠えるだけの党首の政党あたりが政権についても東日本大震災の時のようなぶざまな失態が再び繰り返されるのだろう。層の厚さだけは確かな自民党内部にもっとまともな総裁、幹事長候補はいないのか。せめて総裁選は自由投票であって欲しい。

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コロナの感染者数がうなぎ登りの中、五輪の選手たちは何を思いながら競技に集中しているのだろうとテレビを見ながら思う。
メダルを取った日本選手のインタビューを聞いていても自分たちの努力や応援してくれた人への感謝の気持ちは手厚いほど述べているものの、コロナ禍の中で強行された大会への感想、思いは社交辞令の如き通り一遍の、「こんな状態で開催していただいたことに感謝したい」という程度。一般の人々の多くが開催に反対だったにもかかわらず、心に響く言葉は聞こえてこない。

海外からの選手も差別撤回などへの抗議の姿勢を示す者はいるが強行開催については語らず、選手村のベッドや食事のことをSNSなどで発信するばかり。中には不満をぶちまける選手もいるようだが、そもそも覚悟して来たのではなかったのか。世界一流のアスリートといえども頭の中はやはり幼い。

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2021年6月26日 (土)

カシオペアが常磐線に入線//雪をまとったEF58

9月18日の8:00ごろに上野を発つ「カシオペア」は常磐線経由で青森に向かい、21日の15:00ごろに上野着(上越、高崎線経由)との発表があった。初の常磐線乗り入れだが、機関車もEF81だろうし撮る分には、あまり変わり映えはなさそう。

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先日、模型の蒸気機関車用にパーツを購入するため渋谷のモデルス・イモンに出かけた。3度目となる訪問だったが、広い店内には多数の完成車両が並べられ豊富な品揃えにまたしても圧倒された。これだけの数の製品を置いて、値段も値段なのだから本当に売れるのかと感じるのは余計なお世話にしても、どれも良くできていて片っ端から欲しくなってしまうのは自分だけじゃないはず。

ところでそんな製品を前にして考えるのは、そう遠くない将来、金属製の高級蒸気機関車模型は作り手(組み立てる人)となる職人もいなくなって、消えていくのではないかという不安。特に現役時代のSLを知らない世代が増えれば購入層も減るだろうから、天賞堂の¥500000近くもする製品などは以前のような数は作らないし、買うなら現物を見ずに早めに予約しないと手に入るまい。そしてもし買いそびれた場合はオークションなどに出ることを待つしかなくなって、価格がさらに高騰するのではないかという危惧。結果、引き出される結論は「買うなら今のうち」。困ったものだ。

とにかくイモンの豊富な品ぞろえを見るたびに、帰りの車中で物欲をせき止める努力をしなければまずいことになると思う次第。「目の保養」と「目の毒」は表裏一体だと気づく。

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1976年の暮れに撮影した「能登」(多分)。記憶によれば「能登」は長岡のEF58牽引だったような気がするが、まあ今さらそんなこと全くどうでも良いか…。3時時間程度の大幅な遅れだったことは間違いない。

後年、デジタルカメラで「北陸」や「あけぼの」を撮るようになって何度か雪をまとって上京するシーンを記録したが、いつも年が明けてからの1~3月上旬のことだった。当時は12月でもこんな状況が見られたのだから気候変動と何やら関係があるのだろうか。

模型でEF58の良くできたプラ製品が出たら、写真のように雪をまとった姿に仕立てたいものだ。

(写真、文:U)

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東京五輪が強行される運びになった。もう何を言っても無駄。国民の声など知ったことじゃないらしい。森友学園問題、鶏卵業者の元農水相への献金、河井元法相の選挙違反事件、衆院議員・秋元司の統合型リゾート施設の事業をめぐる収賄や証人買収事件…。数々の問題の根本に蓋をして権力を握った奴らの好き勝手な政治が続く。きっと五輪が始まれば大半の国民はそれを見て「やっぱり五輪をやって良かった」となるのも明々白々。そして総選挙。結果も見え見え。暢気な国民のおかげでヌクヌク…。

不快な夏はまだまだ序章。不快な政治も繰り返される。

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