ブルートレイン&夜行列車

2025年11月 3日 (月)

残雪の山をバックに「トワイライトエクスプレス」

一週間以上に及ぶ道東・知床の旅から帰ったばかり。
今回は羅臼岳のクマ事故が撮影にどのように影響を及ぼしているかという点に関心があったが、やはり少なからず制約が出て、以前とは少しばかり勝手が違った。細かく書いても無駄だし、ここに指摘しても知床財団や環境省の現地関係者は、人の話を真摯に聴く耳もなく意味がないから省略するが、どうも彼らは「守る」という観点だけにとらわれて、「今後どうする」という発想がなく、観光地・知床の魅力がこのままでは大きく削がれてしまうように感じた。たしかになかなか見られない流氷などは「売り」の一つだが、日本全国には多くの景勝地があって、それらの中には知床をはるかに上回る景色もあるのだから、このままでは動物撮影者ばかりではなくリピーターの観光客も減るように思う。知床と言えばヒグマに出会えるかという期待も大きいし事実、お土産のTシャツなどにもクマのイラストがあるくらいなのに観光客がクマを見つけて車を止めることさえ咎められるのなら知床観光の拠点はオホーツク海側のウトロからワシやシャチ、イルカなどの観光船に乗れる(ウトロ側では動物観察の船はほぼない)根室海峡側の羅臼に譲ることになりそうだ。

さて、撮影は上々の上といった成果を得た。日本に200羽以下といわれる絶滅危惧種であるシマフクロウの良い絵が撮れた。もちろん餌付けされていない野生の個体。自画自賛は面映ゆいものの、客観的に見ても最高ランクの写真と言って良いだろう。だからヒグマなどどうでも良くなって、知床財団や環境省のアホな連中と下手に軋轢を生まずに旅を終えることができた。撮影後10日たってもその喜びは未だ持続しており、疲れが癒えるまで画像処理をせずに体調がととのってから作業を始めようと思っている。

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書店で立ち読みする鉄道雑誌のほとんどが車両の歴史やガイド、あるいは運用などにまつわる毎度おなじみの記事ばかり。昔から大して変わらない内容で、もう鉄道撮影には熱中することのない身には退屈そのもの。極論すればほかの本や資料から引用(悪く言えばコピペ)したと思われる解説的なものが多く、しょせん撮影するつもりもない車両を取り上げても興味も湧かない。
もちろん現役のファンの中には、そういう知識を蓄えて撮影に役立てる方もいるのだろうが撮影の肥やしになるような知識って、こんな記事の中にそれほどあるものではない。おまけに若いファンは雑誌自体を買わなくなって、ほとんどの知識はネット頼り。それなのに記事は旧態依然の切り口の繰り返し。もっと撮影時の体験談などを展開できないのか。想像だが執筆者が毎度毎度決まっているため、彼らに一任していることからマンネリ化を打破できないのではないか。

加えて写真も200ズームで撮ったものばかりで、写真が大きな「売り物」であるのに凡庸でしかない。多くの人の写真をたくさん掲載しようとしているのか、その一枚一枚も小さくて「質より量」的な扱いで際立ったものが少ないのはとても寂しく正直ウンザリする。だから買わない。
少なくとも立ち読みする読者が、衝動的に財布のひもを緩めるような記事や写真がないと売れるわけあるまい。

おかげで最近の雑誌は月刊のものよりも季刊であったりイレギュラーに発行されるものの方が断然面白い。たとえモノクロの、古くピントが甘い写真でも個性が滲み、一枚一枚を真剣に撮影していた様子が実感できる。本音を言えば自分が記事を書かせていただいた「電気機関車EX」やネコの「国鉄時代」などは発刊当時、価格も価格だから長くは続かないのではないかと危惧していたものの、最近は自分が活動していた時代の記事や写真がじわじわと増えて面白味が増してきた。要するにもう実物の列車撮影に「未来」などないのだから「過去」の方が断然楽しいということなのだろう。年齢的な感想でもあるが。

そんなことを考えると昨今、多く見かける超俯瞰撮影など風景をフレームに多く取り入れた写真が何十年かして鉄道雑誌に掲載されても、どの程度その時代の読者に響くか想像できない。特に風景主体のショットは何年もたって真似して撮ろうと思っても樹木が伸びたりするなど、環境変化のおかげでお手本となるような写真が撮れなくなる可能性は非常に高いから、せっかく苦労して撮っても写真としての「旬」は短い気もする。
やはり写真の価値がもっとも問われるのは主役であるはずの車両の「記録」にこそあるのではないか。

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2014年3月23日、家族でニセコにスキーに行った際、撮影した「トワイライトエクスプレス」。この列車の大阪行きは冬でも夕日が当たる時間帯に非電化区間で撮影が可能で、そういう意味ではほかの列車よりもいちはやく運行が終わったのは残念だった。
あと一年、廃止が延期になっていたら長万部以南でも手垢にまみれていない撮影地を開拓できたはず。

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2025年8月29日 (金)

羅臼岳のヒグマ事故は自己責任

鉄道ファンの中でしばしばマナーの悪さが問題になる「撮り鉄」。自分が鉄道撮影から距離を置く気になった一因だが、動物撮影においてもマナーや約束事を守れない人により様々な弊害が発生し始めている。

8月14日に知床・羅臼岳で登山客がヒグマに襲われて亡くなったが、発生から時間がたつにつれ詳しい状況が分かってきた。それによれば大きな原因は被害に遭った方の準備不足にあったようにしか思えない。中でもヒグマの、走る相手を追いかけるという習性も知らず、「走る」トレイルランニングで羅臼岳にアプローチしていたことなどその最たるもの。しかもクマ撃退スプレーさえ所持していなかったというのだから呆れてしまう。同行していた友人が被害者の悲鳴を聞いて素手でクマに立ち向かったというが、誰がどう考えたってかなうわけあるまい。「クマと相撲をとる、鉞(まさかり)担いだ金太郎」でもあるまいし「アホか!」と評しては言い過ぎか? 勇敢というよりも前に彼も被害者同様、撃退スプレーを持っていなかったという無様さの証でしかない。日本で最もヒグマの数が多い知床半島。その中でも一般の観光客が滅多に足を踏み入れない、とりわけヒグマの密度が高い領域へと入るにはあまりにも無防備すぎた。
また、地元で管理を任されている知床財団も、その拠点である知床自然センターや知床五湖近くの遊歩道にクマが出ればすぐに閉鎖(一時的だが)するのに、少し離れた登山コースについては数日前からヒグマの出没が相次いで、中には人につきまとう個体がいるとの報告を受けていても閉鎖など、何ら手を打たなかったのだから、その扱いの温度差について疑問は残る。

おかげでこの影響がマナーを守って動物や鳥を撮っている写真愛好家などにも波及し今秋以降、これまで当たり前に行くことができた地区への立ち入り禁止などという形で表れる可能性が濃厚になっている。現場を知らない人は問題の所在をすぐにカメラマンに転嫁するが多くの場合、ベテランカメラマンが新参者に対して「やってはいけないこと」やクマの習性、クマとの距離、あるいは基本的なマナーなどについて撮影地でしっかりレクチャーしてきたのは事実で、筆者も最初の頃は教えを乞うたものだった。それはもちろんマナーを守らず撮影ができなくなることを懸念しているわけで、だから少なくとも撮影現場においてクマによる死亡事故は起きなかったといっても良いだろう。

端的に言えば今回の事故で(死者に鞭打つ表現になって恐縮だが)被害者が「ヘマ」をやらかしたおかげで、まともな人たちまでが不利益を被るのは大いに不服。しかも知床財団の某氏が十把一絡げに今回の事故の一因がカメラマンにあるかのような話をしていたがこれはこれで非常に短絡的で不快。どんなところにもマナーを軽視するバカは存在するのだから、それをカメラマン、あるいは観光客のすべてがそうだと聞こえてしまうようなニュアンスで語っていたのはバカ丸出し。批判を受けるのが怖いのか、はっきりと被害に遭った人の「無知」がもたらした事故だと発言する度胸もないくせに、観光地でもある現地の管理を担う関係機関の幹部がテレビで涙ながらに感情的な物言いをする姿は浅はかとしか映らなかった。

とにかく、そもそものミスはクマが静かに暮らしている領域に丸腰で入ったこと。
死んだ人を悪く言うのはこの国ではタブー視されるが、26歳にもなるいい年をした大人にしてはあまりにも迂闊すぎる行動だったとの思いが募るのは正直なところだ。

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子どものころ、夏休みも終盤に入るとアブラゼミの声が減って吹く風もわずかながら秋の気配を帯びたものだが、最近の夏はそんな風流さなどみじんもない。お天道様は一切手加減してくれない。
そんな中、24日に鉄道仲間の集まりがあって横浜・中華街まで出かけた。大阪のA氏や横浜のO氏らがセットしてくれている宴会で毎年、この時期に合わせて開かれる。今年は総勢16名にも及ぶ大人数でA氏らも事前に名札などを準備してくれて、これまでになく盛り上がり13時から21時までのロングラン終了まであっという間。翌日は「宴の後」といった心境で寂しさを感じたほど。まずはAさん、Oさんに感謝する次第。ありがとうございました。平均年齢が60歳に近い面々だが、また来年あるいは機会があれば万難を排して参加させていただきます。仕事をリタイヤして家にいることが多い身としては、こういう集まりの楽しさ、ありがたさは昔よりもはるかに大きく、仕事を辞めてからの時間が長くなればなるほど尊いものになってきている。

ひとつだけ加えれば白昼からの宴会に向かう道だけは辛かった。関内駅から中華街への徒歩は地獄で、普通だったら10分ほどで着く店なのに途中の横浜ベイスターズのグッズ売り場でエアコンに当たり、暑さを鎮めなければならなかったほど。昔から暑さに弱い者としては、年を重ね夏場の外出を極力控えていることもあって、久しぶりに炎天下に身を晒したのはかなりのダメージだったが、それでも有意義な一日を過ごさせていただいたのは暑い夏の思い出として刻まれるだろう。

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その宴会でJR九州からED76とEF81が消滅したことを知った。九州の機関車には昔からあまり興味のあるものがないから、今回の話も深くは聞かなかったが、これで国鉄時代に製造された電気機関車がなくなったということか。

1992年から3年ほど福岡に赴任していたころは毎晩酒浸りの日々だったし、JR九州では国鉄当時に誕生した電車も含めておかしな色に変えられていたから転勤した当初はあまり撮影することはなかったが、ラスト1年を切ったころに少しだけブルトレなどを撮影した。まあ、身の入らないいい加減な記録ばかりだったが東京と九州を結ぶ伝統あるブルトレの消滅が迫っているとあれば撮っておかなくてはなるまい。東京に戻れば九州のスノープローもない電気機関車など、わざわざ撮りに来るはずはなく、そこに住んでいたから記録しておくのは義務だと考えたに過ぎない。

そんな中でこの「サザンクロス」用に塗装されたED7678はカラー写真に向いていたこともあって、この機関車がブルトレ牽引に当たるのを調べて10回ほど撮ったように記憶している。写真は通常の「さくら」マークではなく桜の花の周りが緑色のヘッドマーク。赤と緑の組み合わせでこの機関車にマッチすることからチャンスを狙っていた。
この日は2台の車のうちユーノスロードスター(初代)で出かけ、行き当たりばったり正面方向からタテで撮れるところを探したが順光で撮れる場所がなく、けっきょく肥前山口で分割され佐世保線に入ったあたりで撮った後、早岐機関区で形式写真を撮影した。

思い返すと当時の九州はどんな車両を撮っても満足感がなく、鉄道撮影には最悪の地域だったように思うが、こと酒や食べ物は最高の地。毎日が二日酔いだったから撮影などやってはいられないという事情も線路から遠ざかることに拍車をかけた。

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2025年8月17日 (日)

Xに出ていたE26系の廃車回送の噂

北海道から帰ると幾分、暑さが治まりつつあるように感じたが、天気予報ではこの先また最高気温が35度を超える日が続くというからウンザリ。これから毎年、こんなに暑い夏が来るのかと思うといよいよ本気で夏の間だけでも道東に逃げる算段をしなければならなくなりそうだ。
ただ、今回の旅ではちょっと外を歩いただけでも汗だくになって、持参したTシャツだけでは足らず、ホテルのランドリーで洗濯をしなければならなくなったほど。いくら北海道とて夏の暑さは厳しくなっているのは間違いなく、いよいよ国内には避暑地と呼べる場所がなくなってきたことを実感した。

帰京した翌日、知床・羅臼岳で登山者がヒグマに襲われて死亡する事故があったことをニュースで知った。ここ数年、何度もヒグマを撮影してきたが、襲われるような経験はもちろん威嚇されたこともない者としては、どうしてこんな事態になってしまったか腑に落ちない気もするが、これまでのような人の住む場所に出没して人間を襲った事例とは違い、ヒグマの住む場所に人間が足を踏み入れたのだから、こういう事態が起きるのも想定内ではなかったかと思う。かつて動物写真家の星野道夫がアラスカでクマに襲われて死亡した事例は有名だが、普段クマを撮っていて事故に遭わなかったから大丈夫だとの慢心は自分としても改めなければなるまい。

一方、細かい疑問を並べれば事故の前日にも登山者にヒグマが接近してクマスプレーを使ったが効き目がなかったといった報告もあるが、そもそもクマスプレーをどれだけの距離から使ったか、あるいはちゃんと風上から噴霧したのかなどの検証はして欲しいと思う。クマスプレーの威力は、誤って自動車内で噴射してしまった人の話では事後、車が全く使えなくなって買い換えたほど強烈だというから、相当な効果があると思われるわけで、それが効かないというならばもう手の打ちようはなく、今後のためにもこの話の真偽は現地で観光客にクマスプレーを一日¥1000で貸し出している知床自然センター(=知床財団)でよく確かめてもらいたいと思う。

事故のあった現場近くで駆除された3頭の親子グマは、ひょっとしたら自分が5、6月の訪問時に撮った親子かもしれない。
当時は2箇所で親子グマが確認されていたから、もしかしたら違うかもしれないが、ひょこひょこと母グマの後ろをついて回る姿は非常に可愛らしく、この先平穏に暮らして欲しいと願っていた者としては大変気になっている。インスタにアップしたそのときの写真の閲覧数がここ数日、驚くくらい増えていることを見ると、「やはり…」という気もするが、違っていることを祈るのみ。

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X(旧ツイッター)にカシオペア客車の廃車回送の時刻などが記されているようだが、それが本当ならばJR東日本は英知を結集して鉄道ファンが撮影できないような時間帯にセットしたようでさすが!としか言いようがなく、そこまでしてトラブルを避けたいとの強い思いがひしひしと伝わってくる。いやはやご立派! こちらとしてもおかげでまだまだ残暑が厳しいであろう9月2~3日に中央線方面に出かけないですむから安堵している。ガッツある方は富士見で1時間近く停車する点に目を付けているとしても、そもそも終着の長野が5時前なのだから撮影は難しいに違いなく、いくらデジカメが良くなったとしても無駄なお出かけはおやめになった方がクレバーだろう。ついでに言えばご親切なJR東には現在の留置先〇〇から2日に回送列車が出発する〇〇との間の回送も夜にして欲しいと願いたいけどね。

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2025年7月25日 (金)

EF65PFの「トワイライトエクスプレス」

湯河原の富士屋旅館に来ている。主たる目的はもちろん名物の鰻。ここの蒲焼きの味に魅せられてしまい、もはや近所の店の鰻では物足りなくなってしまった。鰻自体、年に何度も食べられるシロモノじゃないから、どうせ食べるなら温泉にも入ってちょっと贅沢するのも嬉しい時間だ。
暑い時期、海水浴客が多い地域に行くのは少しばかり億劫だったが、東名高速が少々渋滞した程度で15時過ぎにはチェックインできた。ただあまりにも暑いので現地に着いてからも外出はせず、週刊誌を買い込み部屋で選挙をめぐる記事に目を通している。

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それにしても首相に退陣を迫る自民党議員の厚顔さ、往生際の悪さはみっともないことこの上ない。そもそも議席を減らした原因は裏金問題や統一教会との癒着など、自分たち一人一人が積み重ねてきた悪弊の集大成に有権者がノーを突き付けた結果なのに、それを差し置いてトップの首さえすげ替えれば次の選挙で議席を取り戻せると思っているなら国民を甘く見ているとしか思えない。ならば誰が首相になったとて同じことが繰り返されるのは必至。党が衰退した要因は自らにもあると真摯に猛省して、こんな時にこそ団結すべきだと声を上げるまっとうな政治家はいないのか。

今後も「年中行事」ともなった総裁選や組閣などに不毛に税金がつぎ込まれ、それでも懲りずに同じ過ちを繰り返すのなら、無駄に多い議員の定数こそ真っ先に削減するべきじゃないか。
まあ自分たちには甘い、腐り切った連中ばかりだからな…。

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EF65が牽引する「トワイライトエクスプレス」を撮ったのはこの時だけ。2011年の大阪赴任中のもので場所は芦屋。
本来、前面に貫通扉のある機関車が好きだが、このEF65PFはスノープローがないと重厚感がないように見え好みではなかった。

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2025年7月23日 (水)

海峡線の「北斗星」

このところ国民民主代表の玉木の顔がテレビに映るたびに、自民党の最高顧問・麻生のように口がひん曲がってきたような印象を受けるのは自分だけではないようで、2名の知人から同じような感想のメールが寄せられた。今や上げ潮の国民民主党だがこと玉木に限れば別の顔がありそうでいずれ何か問題が起きそうな予感もする。同様に議席を伸ばした参政党にしても一時(いっとき)のブームで、将来に渡って国の舵取りを任せるには危うすぎる。人は見かけで判断してはいけないというタテマエ論はともかく、お若い人はまだ人物の顔でその人間性を推し量ることはできないだろうし、まして純情な年齢だからそんなことはしないだろうが貴重な一票を彼らに託した以上、期待を裏切られなければ良いのだが。

それにしても22日の各新聞は選挙結果が出る前から書いていたような記事ばかり。つまり①与党が大敗するケース②惜敗するケース③意外や意外、過半数を確保などのケースをあらかじめ想定して準備していたとしか受け取れない内容(よくオリンピックなどで日本選手が金メダルを取りそうな場合、逃した場合など結果が出る前に準備して締め切りに間に合わせるような予定稿)。その予定稿に開票時の様子や獲得議席数などの数字を少しだけ書き加えて本記にしているのが丸見えで、選挙翌日の新聞一面に掲載される毎度おなじみのパターン。しかもその横には「政治の空白を許すな」などと、普段は識者を担ぎ出して両論並記でお茶を濁しているような新聞記者が、ここぞとばかりに偉そうに語っているのだからチャンチャラおかしい。

開票結果を受けた21日の石破の記者会見では平河クラブ(自民党の記者クラブ)の幹事社である共同通信の記者が首相に辞任するかどうかをまず最初に質問していたが、物価高や消費税減税に関する問題など喫緊に手を打つべき課題が山積しているのに、まず責任論から追及するのはいかがなものか。それならば「続投する場合、(自民)党内で退陣すべきだという声も出るだろうが、そういう声を鎮めるためにどう理解を得るのか?」と、もっと踏み込んで質問をすべきで、イエスかノーだけで答えられるような質問では子どもの使いでしかない。会見前に記者クラブが自民党に質問の内容を伝えてチェックを受けていたのかもしれないが、口が達者な石破としてはそんな単純な質問に長々と答えていれば記者会見を打ち切る時間稼ぎにもなってありがたかったことだろう。無難な仕事さえしていればいい、腰砕けの政治部記者の実態がさらけ出されていたようで、まるっきりの茶番劇だった。

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さてこの記事をアップしようとしたらトランプが日本に対する関税を15%にするとSNSで発表した。
このニュースを聞いてすぐに思ったのは、この話は先日、大阪万博に来たベッセント米財務長官から石破の耳に入っていたのではないかという推測。それが参院選での与党の過半数割れにも関わらず石破が続投を表明し自民党内で退陣論が大きくなってから、しかもアメリカ側から日本の夕刊締め切り前に余裕を持って発表されたのはあまりにも上手すぎる。開票当日に赤沢が訪米したことと合わせて考えれば明らかにシナリオがあったと感じるのは誰が見ても同様ではないか。選挙中から分かっていながら、自民党が議席を大幅に減らすのは確実と思ったためにあえて発表せず、続投を明らかにした段階で「手柄」として使うつもりだったのか?

ただ反対に大きな懸案が一定の成果を上げたので、もう続投の必要はないという考え方もできそう。
思い返せば昨年、終戦記念日の前日に前任の岸田が辞任を発表してほぼ1年。ことしも何か起きるのだろうか?

→で、今入ったニュース(TBS)によればけっきょく退陣表明になるようだが、そうなると今までの首相経験者よりもはるかにまともな人物に見えてしまう。今までが酷すぎたのか?(11時51分追加)

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2014年9月に北海道新幹線開業前の海峡線で撮影した「北斗星」。前日に函館に入りこの場所に行ったが、ものすごい雨に見舞われ機材ともどもズブ濡れになったことを思い出す。翌朝近くまで雨は降り続いたが、せっかく来たのだからと撮影に出かけたら、滅多にないような朝日が線路を照らした。

同じ年の6月、この立ち位置よりも200メートルほど後ろで撮影したが、日の出前からスタンバイしたおかげで朝日の当たる位置がつかめず、日陰で撮って失敗しそのときの教訓が生きた。ただ、電化区間での撮影はあまり気が進まなかったからリカバリーに懸命になることはなかったが、このときは函館にホテルを取ったついでに再訪してみることにした。ここで一回目を撮ればDD51が牽く非電化区間に先回りも容易で、本来は好まない「追いかけ撮影」を何回か試みるようになった。

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2025年7月21日 (月)

ファンの人気は81号機より95号機?

参院選の開票結果を見ると自民、公明で47議席を確保できたのは予想以上に善戦したように感じる。事前の予想ではもっと議席が減るのではとの見方があったが、結果的には目標数に3議席及ばなかっただけ。もともの目標値が低かったにしても、「大敗」というよりも「過半数に届かなかった」という表現の方がマッチしているように思う。個人的には「惨敗」を期待していたから残念ではあるが。

今後は政局。石破首相は続投を表明しているが足元では責任論が出始め、石破嫌いの最高顧問・麻生あたりが動き始めたようだ。かつて政権を民主党に奪われた奴が今回の選挙結果を見て石破下ろしに走るというのも滑稽な図だが。
とにかく自民党内は物価高や政治とカネの問題、関税など、直ちに着手しなければならない喫緊の課題がゴロゴロあるというのに、そんなことよりも相変わらず足の引っ張り合いの方が重要なのか。呆れるばかりだ。
今回、自民・公明が両院で少数与党に落ちぶれた原因は前任の岸田をはじめとする石破以前の総裁の党運営に端を発しているわけで、石破の責任というよりも、むしろ彼らの方にこそより大きな「罪」があるような気がする。

それでも党の総裁だからと石破に責任を取らせるなら、かつて太平洋戦争を止められなかった昭和天皇など、国家のあらゆる権力を握っていながら多くの犠牲者を出しても戦争責任を追及されなかったのだから摩訶不思議。もちろん占領軍の都合もあったのは承知しているけれど現代の理屈をもってすればそう考えてもおかしくはないように思ってしまう。

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「電気機関車EX」の連載を終えた。年4回とはいえ5年間、計20回の執筆はそれなりの苦労はあった。正式には明日22日に発売される本だから内容については触れないが幾ばくかの達成感はある。本が発売になったらあらためて振り返ってみたい。

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田端のEF81はお召し列車牽引に当てられた81号機よりも、スーパーエクスプレスレインボー牽引用に塗り替えられた95号機の方がファンの人気は高いと聞く。自分にとってEF81はあまり関心の高い車両ではないからどちらでも良い話だが、カシオペアの運転末期には95号機の登場が待望されたらしい。たしかに200ズーム程度のレンズで撮るにはボディ側面に描かれた「EF81」という文字が目立つからその方が良いのだろう。

でももし鉄道博物館にEF81が収蔵されるなら、お召し機の81になるのではないか。どうして保存車両の選定に当たってお召し列車の牽引が重視されるのかは不明だが日本人は皇室が好きだからな。
秋篠宮に孫が誕生したらしいが、それが男か女か性別すら発表しないことに何ら批判もしないのだからマスコミも皇族には緩すぎないか?(皇位継承の論議もあって、男だったら話がそちらに飛び火しかねないからか)いくら眞子が皇室を離れたと言っても将来の天皇の孫に違いあるまい。

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2025年7月15日 (火)

さらば天賞堂!

暑い日が続くので外出を控えて自宅で参院選の政見放送を録画しながら片っ端から見ている。ろくでもない芸能人が出るくだらないドラマなどよりもはるかに現実的で楽しいのは毎度のことだが、昨今はかつて話題となったマック赤坂氏や羽柴誠三秀吉氏ら〝大物立候補者〟がいなくなり(羽柴氏は2015年没)醍醐味が失せてきてはいる。

とはいえ、それでもユニークな人も少しは立候補しており目が離せないのは今回も同様。考えてみれば現役政治家の失言や暴言も同じ類のものだから、やはり政治家になるにはこういう方々と同じような素質も兼ね備えていなければならないのだろうとも思えるようになってきたのは、少しは物事を冷静に見られるようになったからかもしれない。

熱心に見ている理由の一つはただ面白いだけでなく、政見放送であまりにも非現実的なことを言った人に、果たしてどれだけの票が集まるのだろうということを確認したいから。開票速報を「へぇ~、あんな人にこれほどたくさんの票が集まったんだ」などといった視点で見たいがためで、いわゆるその下準備でもある。
与党過半数割れ必至の20日の開票速報は絶対に見逃せない。10倍楽しめるよう着々と予備知識を蓄えている。

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何気なくモデルスイモンのHPを見ていたら、かつて倶知安機関区に在籍して一部で人気を博した二つ目(ヘッドライト2灯)の9600が天賞堂から再生産されていることに目が留まった。自分自身、だいぶ以前に発売されたモデルを所有しているから、今はどれくらいの価格で販売されるのかと見ると何と¥616000(税込)!!! たまげた!

とうの昔に消えた蒸気機関車のモデルがこんな価格になっても買う人はいるのだろうか不思議でたまらない。まあ、カネのある人は多いし、しょせん少数生産だろうから売れる目算はあるのだろうが、それにしても自分が手に入れたときは¥200000を切っていたはずで、金属製モデルの価格高騰にはあらためて目を見張る。
天賞堂は再生産する度に価格を大幅にアップしてきているが、前回のC5711の時には以前と同じ程度のディテールに押さえてギリギリ¥400000以下で販売したから、この方針が続くのかと思っていたら今回のキューロクは大幅アップ。凄いことになってきたものだ。

素材となる真鍮などの金属が値上がりし、それが製品に影響するのは理屈としては分かっているが同じ模型メーカーでもモデルスイモンやムサシノモデルは納得いく価格設定。時期をほぼ同じくしてモデルスイモンが発売したHOの9600などはやり過ぎない程度のディテールでまとめ上げ、しかもかなり実感的な雰囲気を纏いつつ価格面でも納得できるからその魅力は圧倒的。
ムサシノモデルも社長自身がホームページで語っているように、かなり苦心しながらあれだけの製品をあの価格で世に出しているのは模型店の矜持とも受け取れ、率直に頭が下がる思いだ。

度重なる値上げの影響か天賞堂製品もかつてほど売れなくなって、最近では「もうダメか?」という噂まで出ているようだから、やけになって「ダメ元」の価格にしたのかもしれないがいやはや。もはや模型売り場よりも本業とも言える貴金属コーナーにでも並べた方がふさわしいと思うほど。かつてのブランドイメージに固執せず潔く鉄道模型(特に真鍮製モデル)から撤退すべき時期を迎えているように感じる。

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12年前の7月下旬は暑さにも負けず、まだ定期運行されていた「あけぼの」を撮っていたのだから今考えると50歳を超えていても気持ちだけはまだ若かった。

この日はEF64がプッシュプルで旧型客車の牽引に当たる高崎線開業130周年記念列車や、EF65501の12系列車なども走ったため倉賀野まで撮影に出かけた。現地で撮影を終えて引き揚げようとしたところ上野寄りで撮っていたTさんから電話が入り、「あけぼの」がまだ通過していないとの報告が入った。とっくに通過していなければならない時刻。きっとトラブルが発生し遅れが出たと考えて北浦和に先回りして撮ったのがこの写真。深谷か上尾あたりで機関車が故障し田端からEF81133が救援に向かったもの。

北浦和に着いてもなかなか列車が来ず、炎天下で数時間待ったことを思い出す。陽炎の心配をしながら夏場の午後1時近くまで粘ってようやく現れた。機関車(EF64)の故障だったはずだが、EF64のパンタグラフも2基とも上がっていたのはラッキーだった。

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2025年7月 3日 (木)

最終運転を終えた「カシオペア」

多少は迷ったものの6月30日の最終「カシオペア」の撮影はパスした。上野着が17時半ということで少し北上すれば人の少ない撮影地も見つかるだろうとは思ったが、EF8181牽引の列車は何度となく撮ったし、何よりも暑くてそれどころではないと判断した結果。きっと集まる人たちも「熱い人」たちばかりで、その熱も加わる中に身を置くのは「冷めた人間」としては耐えられそうもなかった。

後に最終運転の模様はニュースや新聞などでも見たが、今回も列車最後尾に意味不明の「ありがとう」などという貼り紙があったようで、どうして鉄の塊に「ありがとう」なのかは相変わらず意味不明で不思議。昔からお召し列車などの目玉列車を好きで勝手に撮りに行っていながら通過後、拍手が起きたり、感極まって「ありがとう」などと叫ぶ人や万歳する者(正直に言えば「?」としか思えない人間)が存在すること自体、理解不能で気味が悪いと思う身。だからこうした「信者」のような方々が蝟集するネタを避けたのは元々の宗教嫌い(戦争や紛争などの多くが宗教が原因で起きているようなもの。人間を幸福にすることなどないと思っている)のなせる本能だったのかもしれないが。

さて、これからのこと。12両編成の客車を買い取っても走らせることができる会社があるとも思えないが、分割して数両でも引き取る会社があるとも思えず、観光地の列車ホテルなどに転用する以外、使い道は限られるだろう。
涼しくなる頃に廃車回送でも行われるのなら物見遊山で見に行くかもしれないが。まあどうなることやら。

そういえば12日に上野駅でE26系の個室開放イベントが行われるようで、少なくとも尾久~上野駅の間では機関車牽引の列車が走るとか。

写真は2015年3月の大岸。
定期列車(もちろん1編成しかないからほぼ1日おきの運転だったが)として北海道に乗り入れていたころの姿。

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2025年6月26日 (木)

国鉄電機の重連による最後の長編成列車

5月18日撮影の秋田からの上り「カシオペア紀行」。この後、6月3日にも同様の列車が走ったが、天気予報が悪かったことと北海道から前夜遅く帰宅して疲れが残っていたことからパスしたため、ひょっとしたら国鉄形電気機関車の撮影はこれでお終いになりそうな気配も感じる。
ただ、あまり「これで最後」と断じてしまうと今後何か面白そうな列車が走ったり、長野や岡山方面に旅した際に貨物列車牽引に残っているEF641000を撮るかもしれないから曖昧に表現しておくが、本腰を入れた電機の撮影はよほどのことがない限り前向きにはなれまい。今後、世の中の列車撮影愛好家は風景の良い場所で俯瞰撮影したりするなど車両自体を脇役のように扱う手法で、この趣味を楽しんでいくのだろうが、風景写真の多くで見られる紅葉や新緑、あるいは空の色を誇張するなどした、実際の色とは異なるインチキな写真が増えるのではないかと危ぐしている。とにかく自分はそんな写真は好きではないし撮りたくもないので「カシオペア」の引退は大きな節目に違いない。

ところでこの日、ここ北浦和に着いたのは午前3時50分。どうせ大勢のファンが集まるだろうし、浦和周辺で上り列車を撮るのはかなり久しぶりだったため撮影地の状況が大きく変わっているかもしれないと早めに到着し数カ所のポイントを下見した後に腰を据えた。もともと最も有力な候補地ではあったのだが、手前の雑草が伸びていることへの懸念もあり、ここがダメなら浦和と南浦和の間の人道橋で1000ミリを構えるつもりだった。それが予想に反して雑草は繁茂しておらず、おまけに資材置き場のようなスペースができて、以前よりも撮りやすくなっていたのは嬉しい誤算だった。一も二もなくここに決定したのは当然のこと。ただ、2メートル超の金網のフェンスもあるから、それをクリアするために高い脚立も必要なこともあってほかの有名地よりも人が少ないのだけは想定していた。
で、帰宅して自分の次に来た人の写真を見て驚いたことは5月20日の記事にも述べた通り。最近の方々は列車の手前に何か目障りな標識やロープ、あるいは雑草などがあってもあまり気にしないのか不思議?

さて、そんな自分だが磐越西線のC57180はアングルによって顔の表情(前面)が良く見えるからスノープローが外されない限りは年に1、2回は撮るかもしれず、ほかにもある車両が通常と異なる出で立ちをしたら迷うことなく撮影したいと思っている。だから、決して「今後、絶対に鉄道車両を撮影しない」と宣言するわけでないから、線路際で当方の姿を見てもつまらない揚げ足は取らないでくださいますようお断りしておく。

Kasi

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2025年6月20日 (金)

仕方なく訪れた有名撮影地

今年5回目となる北海道での撮影旅行から帰宅したのは17日。今回もけっこう歩いたし、移動距離も長く運転にも疲れた。このところマイカーよりもレンタカーを運転することの方がはるかに多く、レンタカーだけでも2025年になって軽く6000キロを突破しているはず。燃費がよい反面、料金の安い車を借りていることもあって快適性は高くないから疲れるのも当然だが、それにしても最近の車はやたらと警報装置が多く煩わしい。カーナビの目的地設定も音声入力が増え、行き先の名称を正確に言わなければ表示されないのは決して便利ではない。何もかも車がやってくれるのは返って負担が増えるように感じる。

それはともかく今回の旅もまあまあの首尾で満足だったが羽田に着いたら、6月とは思えない暑さに驚いた。まだ6月だというのに梅雨明けのような暑さに日差し。今からこれでは7、8月の本格的な夏を迎えたらどうなる事やら。一歩も外に出たくはない。
夏は北海道も混雑し、特に道東方面は通行規制なども行われてレンタカーでは入っていけない場所もあるし、生き物もあまり目立ったものは撮れないから毎年行かないが、この暑さから逃げるためにお盆休みには釧路へ一週間ほど行こうとは思っている。撮影よりも文字通りの避暑。夏でもエアコンいらずの道東でカヌーでもやって過ごそうと思う。

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インスタで「いいね!」をいただくのは知り合いが多いが、知らない方からも頂戴することがある。取りあえずはありがたいことなのだが、その中の多くは若い女性。そしてそのほとんどが中国人と来ているのだから、迂闊にフォローバックなどできるはずはない。鼻の下を伸ばして返信でもしたら、どうせろくな事にはなるまいがプロフィールの顔写真は確かに美人揃いなことは間違いなく、イイ気になる人も多いのだろうなと推測する。中には肌の露出が過剰な写真もあって、ついそそられる人もいるのだろうが、中国人など絶対に信用しない身には邪魔くさくて右から左に削除している。
ホント、ろくな国ではないが、中には自己顕示欲の強そうな日本人とおぼしき女性もいて、セクハラの責任はそのほとんどが男性にあるように思っている連中は、こういう女がいることをもっと知るべきだと思う。

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かつて北海道に夜行列車を撮りに通った頃、ここ洞爺~有珠のカーブは多くの人々が訪れていた。撮影地ガイドに紹介され、そればかりではなくプロの連中もここで撮った写真を数多く発表していたから撮影者が多いのは当然だが、個人的には人が多く集まる場所は嫌いでDD51の夜行列車を撮ったのはこの1枚だけ。
実は豊浦の温泉施設に宿泊していて、すぐ近くの築堤で「トワイライトエクスプレス」を撮っていたら、そこで北海道新聞の記者にタテで「北斗星」を撮ることができる場所はないかと尋ねられて案内した結果、この1枚が残った。

夜行列車が通過後、撮影者が撤収してから気動車特急や貨物列車撮影で訪れたことはあるから場所は熟知していたものの、本命の列車を撮る価値はなく行きたくはなかったのに同業者に懇願されれば仕方あるまい。なにしろ自分の会社に金を払ってくれている有力加盟社の記者だし無下にはできなかった。たしか2014年の11月だったように記憶している。

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