釧路湿原ノロッコ号
8月6日から8日間の北海道旅行は気温が高い時期とあって動物を見かける機会が少なく、これといった写真は撮れなかったがそれは予想通りのこと。特に今年は暑さも厳しく、普段はそこら中で見られるエゾシカでさえ日中、遭遇することは少なかった。関東の猛暑から逃げて避暑に行った身としては快適なホテルでのんびり過ごしたいから、いつものように夜明けから撮影に出るのはやめてドライブ中に出会った生き物にレンズを向ける程度にとどめた。
それでもキツネ、シカ、エゾリスなど「常連」の動物は撮れたし、この時期としては数が少ないオジロワシも目撃できたうえ、中標津の「湯宿だいいいち」ではここの目玉ともいえるシマフクロウを見ることができたのだから上々。特にシマフクロウに関しては開放値F1・8の望遠レンズを準備してこれまでよりも速いシャッター速度で撮れ「本懐」を遂げた思いもある。さらにバードウォッチャーにも人気のオオジシギとヤマセミを初めて撮ることができ、普段は鳥に強い関心を持たないながらも嬉しさもひとしおだった。とりわけモヒカンのヘアスタイルのようなヤマセミは撮影が難しい鳥のようで遠目ながらも低感度で撮れたのは一つの課題をクリアした思いがするし、活動領域をほぼ特定できたことで今後はもっと撮影方法を練って挑戦したいと考えている。
ひとつだけ残念だったのは9日にたまたま運転された「ロイヤルエクスプレス」を撮ったきわめて近くの国道でレンタカーとトラックの衝突事故があり、大阪から来た4人家族のうち妻と娘が亡くなったこと。まさに列車を撮影した3時間ほど後の発生で、ホテルに帰ってそのニュースを知り翌朝現場を通ったが、運転していて助かった父親の思いを考えるといたたまれない。退院して帰途に就く飛行機の中で何を思うのか…。
鉄道撮影はあまり前向きではなかったが、「釧路湿原ノロッコ号」が今年度でお終いになるということもあって一度だけ記録した。牽引機のDE10は色が塗り替えられて国鉄型機関車というにはあまりにもあまりな姿ながら、どこかの私鉄のEF65Pを真似たゲテモノよりは幾分マシだろう。中身だけは本物に違いないのだから。
まもなく消える列車ということもあって撮影者が多いかと思ったが、沿線で撮っている人は一人も見かけなかった。今後、廃止の話題が広がれば数少ない機関車牽引の列車として「葬式鉄」が始まるのだろうか?それにしてもエアコンもない貨車のような車両に乗っている人の姿からは、まるで捕虜収容所に移送されるようなイメージを受けたが、こんなことを書くと「週刊新潮」7月31日号の高山正之氏のコラム「創氏改名2・0」を問題視するような面倒な連中から批判されるのかな。
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