3年前の北海道で
「X」や「LINE」などのSNSに対する警戒感が根強い自分がインスタグラムを始めたのは昨年の3月。手を染めたくはなかったが、生き物の撮影をするようになって現場で知り合った人から住所や電話番号を聞かれるケースが増えたため、その矛先をかわすための連絡用として使ってみることにした。始めてみるとほかの方々がどこで何を撮影しているかが分かって、こちらも参考にさせていただけるのは大いに助かる。鉄道撮影とは違ってどこでどんな被写体に巡り会えるかは自ら情報収集するしかないのだから、ネイチャー系の写真を撮っている人にはかなり重要なツールだ。
しかしながら、たびたびメッセージをもらうと厄介な場合もあって、自分のような面倒くさがり屋としては鬱陶しく感じる場面も少なくはない。
先日、「次の撮影旅行はいつからどこに行かれるのですか?」と昨秋、知床半島の羅臼で知り合った人から問い合わせをいただいたため、ザッとこちらのスケジュールを教えたところ、「それなら私もご一緒したい」と言われ「まあ、イイか」と返事をしたところ、日にちを間違えて宿を予約してしまったらしく「残念です」との返信が来た。ひょっとしてこちらの手落ちだったら悪いと思って過去のメールを検証すると、やはり相手の勘違い。しかしいくらそうであってもやはりモヤモヤした気分は残るもので、20日の出発を前にしてなんとなく気が重い。そもそも「一度しか会ったことのない人とSNSでやり取りをしているからと言って、表現は悪いがノコノコついてこられてもなぁ…。」というのがホンネなのだから、迂闊に教えてしまった自分の判断ミスには違いないのだが。
会社勤めをしていた時こそ、人付き合いはうまくやってきたはずだが、もはやフリーの身となって(再び表現は悪いが)「金魚の糞」のように自分より年上のオッサンに押しかけられても疲弊するだけ。たとえ相手がうら若き女性であったとしても、他人に気を遣いながら時間を過ごすのはもはやしんどくなってしまった。
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遅まきながら書店で「鉄道ジャーナル」を手に取ってみると、表紙の裏に「休刊」のお知らせを見つけた。かなり以前から知っていたことだし、一度記事にしたから、そのこと自体はとっくに受けいれているが、「休刊」という言葉に編集してきた方々の「未練」を感じてしまう。
これまで長らくさまざまな趣味誌を購読してきて、いくつかの雑誌が消えていったが、いずれも「休刊」という言葉で、それらが復活したためしはなく、ここはジタバタせずに「廃刊」とした方が潔いとは思うものの、そこには作り手側の愛着が存在してきたわけで「廃刊」はあまりにも刺激的すぎるのだろう。そう思うと広い意味で同じマスコミに身を置いてきた身としては身につまされる思いもある。
立ち読みしながら、ここは「鉄道ファン」誌など、由緒ある別の雑誌が「鉄道ジャーナル」の休刊に合わせて、ささやかなスペースでも良いから、なんらかのエールを送るような気遣いを見せてくれないかと感じるのだが。
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写真は3年前の2月に石北線の呼人付近で撮影した183系時代の「大雪」。モモンガを撮りに行ったときのものだが、このころはまだ時間を割いて列車にカメラを向ける気力もあった。
普段は夜行性で日中、姿を見せないモモンガも繁殖期に向け早朝や夕方、撮影できるチャンスが増えるが、それ以外の時間はよほど運がよくないと無理。そんなときの「暇つぶし」として列車を撮ることもあった。
あれから3年。先日の旅では久しぶりにC11の「SL冬の湿原号」を撮ったが、SLでもなければ線路際に立つこともなかっただろう。
ことしも春のダイヤ改正で北海道でも消滅する列車や車両があるのかもしれないが、何がなくなるのかも知らないし、知ったとしてもきっとそれらに時間を割くことはないだろう。
この写真、3台のパソコンで眺めると機器によって色の濃淡がまちまち。もっぱらEIZOのモニターで色合わせをしているが、記事を書いたパソコン画面では色が浅すぎるように感じてしまう。





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