DE10の「湿原号」
人との付き合いから生き物の写真のインスタグラムを始めて半年。写真をアップして簡単なキャプションを付ける作業は面倒ではないものの厄介なのは、「♡いいね!」をいただいた人にお返しの「♡いいね!」を付けなきゃならないのかどうか迷うこと。ほとんどの人が撮った写真を片っ端からアップしているようで、昨日と同じような写真を羅列しているから変わり映えせず、正直「♡いいね!」に値しないものが多く、単に返礼の意味を込めてそんな評価をするのは自分の流儀から逸脱してしまう。連写した写真を毎日続けて見せられても辟易してしまうだけで、こちらとしては率直に言ってあまり良いとは思えないのに、それが儀礼のようになってしまっているから面倒くさい世界だと感じる。
とは言え、フォローしてくれる人の多くが古くからの友人や仕事上付き合ってきた人、あるいは動物の情報をもたらしてくれる人などで、義理があるからバッサリとは切り捨てられないのも現実。もちろん上手に写真を撮っている人の方が圧倒的に多いのだけれど、中には毎日の食事(主に外食)を載せただけのインスタなどもあり、なぜそんなものを人に見せて嬉しいのか理解に苦しむものもあり、これに「♡いいね!」を付けるのはやや不本意でもある。
そういう観点に立てば鉄道のブログでは同じ列車を連写した写真を同じ記事に何枚もアップする人を見かけるが、この人にとってどのコマがベストなのか撮影した本人の意志が伝わらず、むしろ節操のない人と映ってしまう。カメラの連写機能がアップして一度に何十枚も撮れるからと言って、見る側にすれば変わり映えのない連続したシーンをくどくど見せつけられるのは苦痛以外の何ものでもない。写真のチョイスにもっと真摯に取り組んで欲しいと思うが無理な相談か。
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さて今週からまた道東。動物たちが餌の少ない冬に向けて食べ物を蓄える時期で動きが活発になる。しかも森の木々は葉を落とし、枝に止まった鳥なども木の葉に邪魔されず見つけやすくなるから写真が撮りやすい。今年7回目となる渡道で、毎回一週間以上滞在しているから2024年は少なくとも50日以上は北海道にいたわけだ。かつて夜行列車を撮りに通っていた頃、一回一回の滞在は短かったものの毎月1、2度は行っていたから、それに較べれば回数自体は少ないものの、当時は鉄道一辺倒でそれ以外のことにほとんど無関心だったことを思えば、生き物を撮るようになってからの旅は被写体以外のことにも関心が高くなって、ちょっと「大人の旅」的な感覚も出てきたように感じる。食べ物やホテルの居心地、温泉の質、景色、周囲の人たちとの会話などなど、かつて鉄道撮影で通っていた頃はほとんど現地で金を落とすことはなかったが、今は少しは地元に貢献している気がしないでもない。そんなわけで旅の内容も充実して、ガツガツせずに余裕を持って生き物を追うことができる。ちょっと天気が悪ければ早く宿に帰って露天風呂を堪能し、湯上がりにはホロ酔い気分で撮ってきた写真を眺めながら夕食まで部屋でのんびり過ごしたりと…。
そう言えば旅行中の27日は衆院選の投開票日。すでに期日前投票も終えて旅に出るが、開票速報を旅先の部屋のテレビでのんびりと見るのも、ちょっとした楽しみの一つになりそうだ。
下の写真は昨年2月に撮った釧網線の「冬の湿原号」。C11の調子が悪くDE10が牽いたときのもので、近くにエゾフクロウの巣があるため、それを撮りに行った際に寄ってきた。時間と場所がちょうど良かったから時間的な無駄は感じなかったが、撮り終わった後で「今さらこんな列車を撮って嬉しいか?」と心の中で自問したことを思い出す。以前アップした写真よりも、もう少し短い画角で捉えたもの。
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